フォーブスが先ごろ発表した2016年版ビリオネアリスト(世界長者番付)に名を連ねた1,810人のうち345人は、ハードウェアから食料品、日常の必需品まで、さまざまな商品の販売によって富を築いた人たちだ。ファッション・小売業界の富豪トップ10に入った人たちの保有資産は、総額2,200億ドル(約24.7兆円)に上った。
小売業界で世界一の富豪は、スペインのアマンシオ・オルテガ。ザラ(ZARA)の親会社であるアパレルメーカー、インディテックス(Inditex)の創業者だ。資産額は670億ドル(約7.5兆円)。ビル・ゲイツに次ぐ世界第2位の富豪が今後、小売業で史上初めて世界一の富豪になるのかどうか、注目が集まっている。
女性富豪の1位に返り咲いたフランスのリリアンヌ・ベタンクール(93)は、小売業界では第2位となった。化粧品大手ロレアルの大株主であり、資産額は361億ドル(約4兆円)。ロレアルが保有する人気ブランドには、ランコムやイヴ・サンローランなどがある。同社は1907年にベタンクールの父親が創業。現在は130か国以上に進出している。
ただ、ベタンクールは認知症と診断されており、裁判所が娘のフランソワーズ・ベタンクール・メイヤーと孫たちを後見人に指定している。
同じくフランスで財を成したベルナール・アルノーは、ルイ・ヴィトンやブルガリ、フェンディをはじめとする70余りの高級ブランドを傘下に持つLVMHの会長兼CEO。資産額は340億ドル(約3.8兆円)だ。小売業界の上位3人、オルテガ、ベタンクール、アルノーは、世界長者番付の上位20人に入っている。