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台湾とアジア地域に関するあまり知られていない話題をカバー

Photo by Luc Forsyth/Getty Images

フィリピンのホテルはWi-Fiありと宣伝していても昼間のみ、あるいはロビーでしか使用できないことがよくあり、旅行者をいらいらさせる。ネットにつながっても不安定で、数分待ってウェブサイトが開けるなら、まだましな方かもしれない。

アジアの中でもフィリピンのネット環境の悪さは異常だが、何が原因なのか。ホテルがルーターの電源を切っていたりする場合もあるが、主な原因としてはプロバイダー間の連携の悪さが挙げられる。ネットの遅さは観光客を悩ませるだけでなく、この国のビジネスの妨げになっており、状況はなかなか改善されない。

約7,100の島から構成されるフィリピンで、安定したネットワークを行き渡らせるのは容易ではない。調査会社IHS TechnologyのシニアメディアアナリストFiona Vanierによると、地方政府から事業許可を得るのは大変なうえに、政府はブロードバンドに投資するスタートアップや外国の投資家に高い手数料を課し、業務を妨げている。インフラの大半を支配するフィリピンのブロードバンドプロバイダーPhilippine Long Distance Telephone Co(PLDT)には競争相手がいないので、アジアのどの国よりも高い通信料を設定できる。

PLDTは他社が同社のネットワークを通じてトラフィックを送る際にも費用を徴収する。フィリピンにはプロバイダーがネットのトラフィックを交換しあうピアリングも欠けているため、ブロードバンドのスピードは遅い。

固定回線のネットユーザーの大半がxDSLのような旧来型システムを使い続けているのも、スピードが速くならない理由だという。調査会社IDCの昨年の調査によると、固定回線における光ファイバー高速通信FTTHの比率は、日本を除くアジアでは33%あるが、フィリピンではわずか2%にとどまっている。

マニラのソフトウエア技術会社の起業家Valenice Balaceによると、高速ネットサービスの通信料は月額約57ドルで、米国より高い。Balaceは「ネットは一種のぜいたく品だ。フィリピン人のほとんどはそれを負担する余裕がなく、高速ネット利用で価格が最大のネックになっているのは明らかだ」と述べた。

モバイルでも4G-LTEの普及が進まず、インターネットのスピードは上がらない。契約のほとんどが2Gと3Gで、LTE導入比率は1%と、アジア平均の12%を大きく下回る。フィリピンのコングロマリットサン・ミゲルグループはモバイルネットワーク市場への参入を望んでいるが、IHSシニアリサーチアナリストのSeth Wallis-Jonesによると、PLDTとGlobe Telecomのワイヤレスプロバイダー大手2社は反対している。3社は裁判や大統領へのロビー活動を通じて、周波数のシェアを取り合っているという。

編集=上田裕資

 

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