元世界ランク1位のシャラポワは、10年ほど前から「メルドニウム」を処方されていた。世界反ドーピング機関(WADA)は今年1月1日付けでこの薬を禁止薬物のリストに加えたが、それを認識していなかったという。
女子テニス協会(WTA)が処分を発表する前に記者会見を開いたことについては、シャラポワとPRを担当するスポーツマーケティング会社IMGをたたえるべきだろう。しかし、持久力と回復力の向上が期待できる薬物を長年にわたって使用してきたシャラポワに、疑問符が付けられたことは間違いない。自身の説明と相反する事実が明らかになれば、世界一「市場性のある」女子スポーツ選手という立場が脅かされる可能性がある。
「シャラポワ」ブランドにも打撃か
ブランド戦略の専門家は、今春からシャラポワを起用する予定だった企業はいずれも、計画を見直さなければならないだろうと述べている。「ツイッターの時代にシャラポワが直面する課題は、コメントのタイトルに“薬物検査で陽性”という言葉があふれることだ。そして、多くの人が詳細な情報までは読まないだろうということだ」。シャラポワは、「今後も適切に、メッセージを発信し続けなければならない」。