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2016.03.09

「アップル経営陣は間抜け」と指摘する米著名アナリスト 

ティム・クック アップルCEO (Photo by Astrid Stawiarz/Getty Images for RFK Human Rights)


アップルの成長率はグーグル以下で当たり前?

チャウダリーは、市場シェアが大きい企業ほどPERの値も大きくなるはずだと主張している。「パッションとビジョンに溢れたCEOは大数の法則(Law of Large Numbers)に従い、市場シェアの大きさを活かして高いPERを実現できる。アルファベット(PER31倍)、フェイスブック(PER36倍)、スターバックス(PER32倍)、コストコ(PER28倍)が良い例だ」と彼は言う。

チャウダリーは、「大数の法則」という言葉を変わった意味で用いている。通常は、企業がかつてほどの勢いで成長できていないときに投資家が使う表現だ。チャウダリーは大きな市場シェアが高いPERに直結すると述べているが、筆者は、高いPERの主たる要因は高い成長率と着実な成長(低い成長率でも高いPERの企業が存在するのはこのため)の組み合わせであり、その他の要素も影響すると考えている。

チャウダリーが例として挙げたアルファベットやグーグル、フェイスブック、スターバックス、コストコは、どれもアップルよりも成長率が高く、着実な成長を実現している。アップルのPERが市場平均を下回っているのは、成長率がこれらの企業をはるかに下回り、業績が特定の製品のヒットに支えられているからだ。アップルのPERは、短期的には市場並みか、それを超えることがあるかもしれないが、長期的には市場平均を下回る水準が妥当だろう。

編集=上田裕資

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