ビジネス

2016.03.08

破産したEDMフェス運営、SFX社 ストリーミング事業を競売に

SFXエンターテイメント創業者のロバート・シラーマン (Photo by Robin Marchant/Getty Images)

2月2日に破産申請したEDMイベント運営のSFXエンターテイメントが、ストリーミングサービスBeatportと、マーケティング会社Fame Houseを売却する。

BeatportはSFXが数年前に5,000万ドル(約57億円)で買収し、同社で重要な役割を担っていた。SFXが破産申請を行ったのは2月だが、裁判所に提出した書類によると、同社はしばらく前からBeatportの売却を検討していたようだ。すでに20社以上から買収提案を受けたが、社名は伏せている。この事業の売却話は2015年11月に一度は立ち消えたが、破産申請が行われると再び持ち上がった。

破産後の処理が始まった今、Beatportを買収したい企業は4月下旬までに手を挙げる必要がある。その後SFXの破産処理委員会が最良の買主を決定する。競売は5月3日に行われ、その2日後には裁判所が売却を承認する予定だ。

Beatportを売却できる保証はないが、買い手が決まる可能性は極めて高い。同サービスはEDM分野において非常に価値があるブランドだ。SFX社は現金を必要としているため、当初買収した価格よりもかなり安い価格で入手できる可能性もある。

Beatportだけでなく、SFXはマーケティング会社Fame Houseの売却も進めている。Fame HouseはDJシャドウやティエスト、エミネムなどのデジタル配信を支援してきた。同社は経営状態が良いとされており、創業者たちは起業家に贈られる数々の賞も受賞している。


SFXが主催するEDMフェスが終了するという公式発表はないが、近年、収益面で振るわなかったイベントは主催権を売却するか、今後は開催しなくなっても不思議ではない。

編集=上田裕資

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