RIAA (全米レコード協会)とソニー・ミュージックエンタテインメント、ワーナー・ミュージック・グループ、ユニバーサルミュージック・グループの世界3大レコード会社は昨年、海賊版の温床となっていたMP3Skullの閉鎖を求めて同社の関係者を提訴。裁判所がこのほど、その訴えを認める判断を示したのだ。
判決はMP3Skullに対し、原告側に総額2,200万ドル(約25億円)を支払うよう命じた。不正にダウンロードされた148曲について、1曲当たり15万ドル(約1,700万円)を支払う計算になる。このほか判決は、ドメイン名の使用権は原告側にあると認定した。
裁判の開始以降、MP3Skull側の関係者は一度も出廷しておらず、反論もなかった。そのため、裁判は短期間のうちに結審に至り、今回の判決となった。
違法ダウンロードを行わせていたとして提訴され、敗訴するのはMP3Skullが初めてではない。2015年には多くの人が利用していたストリーミングサイトの「グルーブシャーク(Grooveshark)」が敗訴。サイト閉鎖を命じられた。また、「メガアップロード(Megaupload)」の創設者キム・ドットコム(Kim Dotcom)もサイトの閉鎖を命じられたが、現在もウェブサイトの作成に関連して、何らかの問題に巻き込まれているという。
しかし、MP3Skullが閉鎖を命じらされ、ドメイン名の使用権が原告側に譲渡されることが命じられても残念ながら、すでに「MP3Skull.yoga」の名称で運営される別のサイトが誕生している。
海賊版は依然として、音楽業界にとって非常に大きな問題だ。だが、徐々にではあるが、自然消滅に向かい始めているのかもしれない。世界中で数多くの人が、スポティファイ(Spotify)やパンドラ(Pandora)といったストリーミングサービスを利用し始めているからだ。聞きたい音楽を合法的に、それも無料でダウンードできるサイトがあれば、違法にダウンロードする必要性もないはずだ。