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テクノからチャート、その他の音楽業界に関する執筆を担当。

エル・キング (Mat Hayward / Getty Images)

音楽は反復を繰り返しながら進化する文化だ。特にサウンドやスタイルの流行は繰り返す。ある世代の音が古くさいと言われるようになる頃、さらに古い音楽から影響を受けた次の世代が現れ、過去の音を新しく蘇らせる。

ここ数年、ブルースの要素を取り入れた若手アーティストの活躍が目覚ましい。彼らは長らく下火だったブルースを若者に支持されるジャンルに変えつつある。中でも2015年は「nu-blues」と呼ばれる新世代ブルースが豊作の年だった。

まずは26歳の女性シンガー・ソングライター、エル・キング(Elle King)のシングル「Ex’s and Oh’s」がビルボードHot 100のトップテンに入る大ヒットを記録。ハスキーな歌声と気の利いたタイトルが印象的なこの曲は、発売からメインストリームに乗るまでに1年近くかかったが、一度火がついた人気は衰える気配がない。

同じく26歳の男性シンガー・ソングライター、レオン・ブリッジズ(Leon Bridges)によるデビューアルバム『Coming Home』のトップ10入りも記憶に新しい。レトロなR&B、ソウル、ブルースが融合した同アルバムの楽曲は、ブリッジズのルーツであるそれらのジャンルの古典を聴いたことがない層にも人気を博している。

キングとブリッジズは、ともに世界中の批評家と音楽ファンから高く評価されており、先日のグラミー賞にもノミネートされた(キングは最優秀ロック・パフォーマンス部門他、ブリッジズは最優秀R&Bアルバム部門と、二人ともブルース部門ではなかったが)。残念ながら受賞は逃したものの、ブルージーな楽曲でヒットチャートに躍り出た彼らの功績は賞賛に値するだろう。

このように再びブルースがクールな音楽であることが証明された今、トレンドに乗り遅れまいと、多くのアーティストが二人に続く成功を狙っている。若手では、アルバート・キングを聴いて育ったという29歳の女性ブルース/ソウル歌手ZZワード(ZZ Ward)や、ニュージーランド出身の29歳で2012年に「マン・ライク・ザット」で世界デビューを果たしたジン・ウィグモア(Gin Wigmore)らが注目株だ。一方で、他ジャンルの大物アーティストもブルースを取り入れることが予想される。

何十年も前に大衆的人気を失い、最近まで陽の当たることが少なかったブルースだが、その伝統は才能豊かなミュージシャンたちによって受け継がれてきた。進化を遂げながらも、他の音楽ジャンルと比べてルーツが守られてきたジャンルだと言える。

ブルースは、「復活」がキーワードである時代の最新トレンドの一つに過ぎない。数年前にはフォークが再浮上し、古き良きアメリカ音楽の価値を受け継いだアーティストが大勢出現した。2000年代初頭にはビッグバンド・ジャズが流行りかけたが、俗っぽいイメージのせいか人気が定着しなかった。ビッグバンド・ジャズのブームに比べると、現在のブルース・リバイバルは支持層が厚い。当分は人気が続きそうだ。

編集=海田恭子

 

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