理想のオフィスは自分たちの手で! 10日間のリノベーションに密着

リノベーション後のCRAZY社のオフィス (岡田晃奈 = 写真)


自分の手でつくったという、“私事感”が強まると、もっと仕事に対して主体的になれるのではないか。それが、この全社員リノベーションの意図するところだ。CRAZY代表の森山和彦は、それを「自分事を拡張していく」と表現する。「『オフィスに来た』という、借りてきた猫のような状態から、『自分の居場所にいる』という状態になる。社員一人一人のテリトリーが広がり、生産性がものすごく上がると思うんです」

自分事に思う対象が広がれば、人や空間、そして何より会社に対する意識が変わる。社員一人一人が主体的にならざるを得なくなる。「“みんなの会社”になることで、『主体的で生産的』という、多くの経営者が理想とする会社に近づくのではないか。そんなことを狙っています」

業務を止めることで、取りこぼす利益があるかもしれない。でも、全社員プロジェクトがいいモチベーションとなれば、それらは事前に回収できる、と考える。創業から3年、売上高は約6億円へと成長を遂げた。

全社員が力を注いでつくり上げた新たなオフィスで、どんな新しいアイデアが生まれるのか。楽しみに待ちたい。

CRAZY◎創業は2012年7月。社員53人。革新的なアイデアで、ウェディング業界に新風を吹き込む。創業メンバーの山川咲は、「CRAZYは自分の人生を生きる人たちの集合体」と表現。オフィスは東京・両国の元繊維工場。1階はカフェ、2階は社員食堂。

文=古谷ゆう子

この記事は 「Forbes JAPAN No.20 2016年3月号(2016/01/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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