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2016.03.05 07:01

VRは暗黒の未来招く悪夢? 5つの数字が悲観論を否定

Photo by Frank Zauritz - Pool /Getty Images

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インターネット上では2016年2月下旬、サムスンのバーチャルリアリティ(VR)のヘッドセットを付けた観客たちの横を、胸を張って歩くフェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOの写真が急速に拡散された。危機感を持った多くの人たちは、オンライン上でオーウェルの「1984」や映画『マトリックス』、あるいは『WALL・E(ウォーリー)』に出てくる太った人間たちを引き合いに出し、議論を始めた。

だが、パニックになる必要はない。VRに関する次の5つの数字をみれば、あなたも再びこのテクノロジーに胸を躍らせることができるようになるだろう。お金と仕事、そして想像力がどれほど広がり得るかを示す数字だ。

2020年の売上高は2兆円?

オキュラス(Oculus)はバーチャルリアリティー(VR、仮想現実)ゲーム用のゴーグル型映像端末「オキュラス・リフト」を開発している。コンサルタント会社アナリシス・グループによると、そのオキュラスを傘下に持つフェイスブックは、VRが世界経済に及ぼし得る影響についての調査実施を委託した。その結果、技術が普及しなかったことを仮定して最も厳しく見積もった場合でも、146億ドル(1兆6,700億円)の売上高が見込めることが分かった。普及すれば、1,260億ドル(14兆3,900億円)も期待できるという。

登録したVRゲーム開発者は20万人

「オキュラス・リフト」向けのゲーム開発者として登録した人は20万人。オキュラスの製品担当副社長は2015年、数百のゲームを開発中であることを認めている。技術を確立し、ゲームのヒット作を生み出すことができた開発者にとっては、非常に大きなチャンスがあるということだ。

 PTSDの症状が56%改善

心的外傷後ストレス障害(PTSD)の治療は通常、患者につらい記憶を呼び起こしてもらうことから始まる。その話をすることが、記憶の処理に役立つからだ。VRは心に傷を負った人たちにバーチャルで再現した記憶を見てもらうことを可能にし、それによって症状の改善を図る。メタ分析を用いた研究の結果では、この治療が効果的であることが判明している。わずか6時間の治療で、イラクに派遣されたある退役軍人の症状が56%改善した(世界的に広く用いられている診断法「PTSD臨床診断面接尺度」による心理検査に基づく)という驚くべき結果が出ている。

ベンチャーキャピタルが4千億円を投資

ゴールドマン・サックスの報告書によると、過去2年間にVRおよび拡張現実(AR)に対して225件の投資が行われ、投資総額は35億ドル(3,998億円)に上った。

火星まで約7,800万km

米航空宇宙局(NASA)はオキュラス・リフトをはじめ、その他のヘッドセットでも火星への旅を体験できるVRを開発中だ。その中では、地球から火星までの距離は7,834万kmとされている。

編集 = 木内涼子

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