同社のハワード・シュルツCEOはイタリアのカフェに影響を受けて、コーヒーショップを開業したと語っている。だが、コーヒーに対する同社のアプローチは、イタリアのカフェ文化とは大きく異なる。
イタリア人がコーヒー好きであることは間違いない。世界の供給量のうち、4.6%が同国で消費されている。しかし、イタリア人はスターバックスが提供するコーヒーの入れ方や、フラペチーノなどの複雑なメニューを好まないとされる。それに、コーヒーは大抵の人にとって、自宅で飲むものなのだ。
とはいえ、イタリアのコーヒー市場は世界最大の100億ドル(1.14兆円)規模。以下に挙げるイタリア人とコーヒーに関する6つの特徴がスターバックスに付き付ける課題を克服することができれば、同社にとってもイタリアは、最大の顧客プールだといえるだろう。
1. コーヒーは自宅で飲むもの
調査結果によると、イタリア国内で2011年に販売されたコーヒーのうち、75%は個人消費向けだった。同国に限らず、欧州では全体的に様の傾向がみられる。また、米農務省(USDA)の報告書によれば、イタリア国内で販売されたコーヒーが「自宅外」で消費される割合は、1997年には30.3%だった。しかし、2011年には23.4%に減少している。
2. コーヒーチェーンが嫌い
フォーブスが入手した市場調査会社ユーロモニター(Euromonitor)の報告書によると、イタリアにあるカフェとバーのうち89%は独立経営の店舗だ。USDAもまた、同国の2011年のコーヒー消費量のうち、チェーン店による消費はわずか0.6%にとどまると報告している。世界全体では、コーヒーチェーンによるコーヒーの消費量は2006年の1.6%から同年には3.1%に増加しており、これを考えれば、イタリアの状況は注目に値する。
コーヒーチェーンの店舗が非常に少ない──この事実は、スターバックスにとっては問題だといえないだろうか?