卒業生の初任給は1,300万円! 人気プログラマー養成学校訪問

狭き門を潜り抜けてハック・リアクターに入学した生徒たち。3カ月のプログラムを修了すれば、中堅ソフトウェアエンジニアとして独り立ちしていく。(photographs by Yasushi Masutani)


ハック・リアクターがプログラミングと並んで、力を入れているのが就職対策だ。3名の専任スタッフを置いて、生徒たちの就職サポートに当たっている。

「7週目以降では、面接試験対策や履歴書の書き方、LinkedInやGitHubなどオンラインでの“自分の魅力的な見せ方”を学べる講座も用意しています。ほかのブートキャンプはここまで就職対策に力を入れていません」とフレッド。同校は250の企業と提携し、新たに卒業した生徒たちを積極的に企業に紹介しているそうだ。

また2年前にハック・リアクターを卒業し、現在はスタートアップの「オープンテーブル」で若手エンジニアとして活躍する男性は、「ハック・リアクターは、技術を学べるだけでなく、卒業生のネットワークがあるので就職でも助かった」と打ち明ける。男性は以前、大手コンサルティング会社でビジネスアナリストをしていた。

「今の職場にもハック・リアクターの卒業生が何名かいて、面接試験でもいろいろと助けてくれました」

このような話は、実は珍しくない。ハック・リアクターの1年間あたりの卒業生の数は、いまやカリフォルニア州のトップ3大学(カリフォルニア大学バークレー校、カリフォルニア工科大、スタンフォード大学)でコンピュータ科学を学んだ卒業生の合計を上回る。大手企業のみならず、有名なスタートアップにはだいたいハック・リアクターの卒業生がいるのだ。

ハック・リアクターは昨年、サンフランシスコで学ぶことが難しい人のためにオンラインの通信講座も始めた。中西部のシカゴから通信講座を受講し、現在はサンフランシスコのスタートアップ「ダブルダッチ」でエンジニアとして働く男性はこう語る。

「以前は金融業界で働いていたけど、自分の将来に希望がもてなかった。でも、この学校でプログラミングを学んで、僕の人生はまったく別物になった。テクノロジー業界に興味があるなら、ブートキャンプで学ぶのが一番の早道。授業料は数か月働けば回収できるし、たった3か月でキャリアを変えられるんだから!」


米国の有名なプログラミング・ブートキャンプ

Hack Reactor(ハック・リアクター)
場所:サンフランシスコ
授業料:17,780ドル(約203万円)
特色:抜群の就職実績を誇る名門ブートキャンプ。言語はJavaScriptに特化。通信教育も提供。

Dev Bootcamp(デブ・ブートキャンプ)
場所:サンフランシスコ、シカゴ、ニューヨーク、サンディエゴ
授業料:12,700〜13,950ドル(約145〜160万円)
特色:老舗ブートキャンプ。卒業生は1,900人以上。プリコース、就職対策も含め、全部で19週間。

General Assembly(ジェネラル・アセンブリー)
場所:ロサンゼルス、ニューヨーク、サンフランシスコなど
授業料:13,500ドル(約154万円)
特色:2011年にニューヨークで創業したテクノロジー系のキャリアスクール。世界14都市に展開。

Hackbright Acadmemy(ハックブライト・アカデミー)
場所:サンフランシスコ
授業料:16,570ドル(約189万円)
特色:女性限定のブートキャンプ。卒業生はフェイスブックなど人気企業へ。言語はPythonに特化。

App Academy(アップ・アカデミー)
場所:サンフランシスコ、ニューヨーク
授業料:0ドル
特色:授業料は無料だが、就職できれば初年度の年収の18%を学校側に支払う「成功報酬型」。

文・写真=増谷康

この記事は 「Forbes JAPAN No.20 2016年3月号(2016/01/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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