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「授業」という概念はない

では、210万円のプログラムの中身とは、いったいどんなものか。この日は授業の初日。自己紹介や学校説明はそこそこに、入学したばかりの80名の生徒たちは早くもプログラミングに没頭していた。

ハック・リアクターは他の学校に先駆けて、開校当初よりJavaScriptを使ったプログラム開発(AngularJSやNode.js、Backbone.js、Expressなど関連フレームワークも含む)を専門に教えている。動的なウェブサイトの作成で知られるプログラミング言語だが、近年はサーバーサイドの技術も開発され、人気が急上昇している。

すぐに気づくのは、教室に先生が見当たらないこと。生徒たちは隣の席の者と相談しながら、プログラムをどんどん書いていく。

「ここには授業という概念はありません。いわゆる大学のようなクラスを想像すると、面食らうでしょう。あるのはアルゴリズムやデータ構造、フレームワークなどのトピックであって、それらをプログラムの中で順にカバーしていきます」と、主任講師のフレッド・ジルダンは説明する。

どうやら先生が生徒に向かって何かを教えるというスタイルではなく、課題を与えて、それを生徒たちが解きながら学んでいくというスタイルのようだ(どうしてもわからないときには技術メンターたちに質問することができるという)。フレッドは続ける。

「13週間のうち、アルゴリズムなどの理論学習は約2週間。残りのほとんどは技術の習得に充てられます。とても実践的なカリキュラムで、プログラミングは初日から始まります。基本的には『スプリント』(短距離走の意味)と呼ばれる、2日ごとに設定される新しい課題に取り組むスタイルです。スプリントは2日間で計22時間になりますが、そのうち講義はだいたい2〜3時間で、あとは全部プログラミング。それだけ時間をかけるからスキルを磨けるんです」

またハック・リアクターでは、2人1組になってプログラムを書く「ペア・プログラミング」と呼ばれる手法を採用している。その方がエラーやタイプミスなどに気づきやすく、学習効率を上げられるからだという(プログラムの後半では3〜5人のチーム作業もある)。

「私たちがここで教えているコンテンツ自体は特別なものではありません。違いは、どうやって教えているかなのです。3か月間、起きている時間のすべてを使って、一つの言語の学習にどっぷり浸かれば、たくさんのことを学べるんです」

フレッドによると、卒業生の大部分は、2年以上の職務経験が求められるポジションに就いて、最初から中堅エンジニアとして活躍するそうだ。

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授業には、ペアワークやチーム作業など、エンジニアに必要なコミュニケーション能力を伸ばすための工夫も随所に盛り込まれているという。

文・写真=増谷康

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