フェイスブック上陸阻止のインド人起業家 TED登壇で話題に

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彼の呼びかけにブロガーやジャーナリスト、弁護士や起業家らが結集、「インドのインターネットを救え(Savetheinternet.in)」という団体が結成され、わずか12日間で100万件を超える抗議のメールが政府宛に発信された。政府の取り決めは密室で決まることが多いインドでは前代未聞の出来事となった。

その後、政府は8か月にわたり沈黙し、その間にフェイスブックのInternet.orgがインドに上陸した。一部の大手ネット企業はフェイスブックを支持する動きも見せた。

「フェイスブックが考える“無料のインターネットアクセス”に部分的には賛同できます。ただし、アクセスできるのが一部のサイトのみで、それが巨大な利益を狙う私企業によって運営されるとなれば、話は別です」とニキルは述べる。

ニキルと彼の仲間たちは議会を取り囲み、映画スターたちも彼らを支援した。彼らの運動は大手のネット企業もとりこみ、当初は Internet.orgを支援した企業も、後にそのポジションを退いた。

そして昨年9月、政府はフェイスブックに反対する姿勢を示し始めた。その後、今年2月初旬、インドの規制当局はニキル側に立ち、フェイスブックのフリー・ベーシックスを追放する決定を下したのだ。

「我々の運動を通じ、インドの大衆はようやくインターネットの自由の大切さを自覚しました。今では誰もがネットの中立性について意見を持ち、守るべきものは何なのかを考えるようになった。インドのインターネット政策は今、これまでと全く違ったものになりつつあります」とニケルは言う。

ニケルは先日、非政府機関 Internet Freedom Foundationを設立。インドのインターネットの自由を守る運動を続けている。

編集=上田裕資

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