現代のファッション業界で最も影響力を持つデザイナーのひとりであるポーゼンは、長く協力関係にあったM・A・C(メイクアップ アート コスメティックス)と共同で、新作のカラーコレクションを制作。2月26日に発売した。
15年近く前にランウェイにデビューしたときからM・A・Cの協力を得てきたポーゼンは、「ファッションと美容は密接に関連している」と話す。美容という新たな分野に進出したことについては、「ずっと以前から、自分のデザインとブランドを完全なものにするためのメイクアップ・コレクションをつくりたいと思っていた。自分自身の初のシグネチャー・コレクションをつくるにあたって、M・A・Cの協力を得たいと考えたのは、まったく自然なことだった」という。
M·A·Cとのコラボレーションコレクションを手がけたザック・ポーゼン(Photo by Dimitrios Kambouris/Getty Images for MAC Cosmetics)
ポーゼンとM・A・Cが目指したのは、プロの仕上がりを実現できるメイクアップ・コレクションだ。ポーゼンはラグジュアリーな新作について、「アカデミー賞の授賞式に行く女性やメイクアップアーティストたちが必要とするものをつくりたかった」と説明する。買い物に出かけるときのメイクでも、レッドカーペットのためのメイクでも、どのようなファッションの選択にも合わせることができるコレクションだ。
これまでファッション業界を主な活躍の場にしてきたポーゼンだが、デザイナーとしてのその成功の裏にあるのは、ファッションに対する鋭い感性だけではない。そこに、ポーゼンの洗練されたデザインを完成させるための、全体としての美を作り出すことができる能力があることは間違いない。
美容とファッションは相互に密接に関連している。ポーゼンが無理なく美容業界に進出することができたのはそのためだ。2つの業界についてポーゼンは、「全体としてみれば、非常によく似ている」「コンセプトを決めるところから始め、製品化に向けて、その元々のアイデアに変更を加え、明確なものにしていく」のだと説明する。
そして、そのプロセスの中で、自らの創造性をどこで強く打ち出すか、製品を購入してくれる人たちを驚かせるような要素をどこに入れたいかが明らかになっていくのだという。ポーゼンはこの過程において、「多くの人たちに喜んでもらえる製品を完成させたい」と考えてきたことを明らかにした。