彼らの評価を左右するのは、賞を獲得するかどうかだけではない。ソーシャルメディアのおかげで有名人たちは、雲の上の存在から気軽に連絡が取れる人たちに変わった。手の平の上の小さな画面に映っていても、劇場の大画面に映し出されても、その人たちはファンにとって、同様に大切な人たちだ。
授賞式の夜、ツイッターは数えきれないほどの投稿であふれるだろう。米調査会社ニールセンによると、アカデミー賞授賞式の開催中に投稿された同賞関連のコメントは昨年、米国だけでも590万に上った。そして、授賞式の開催中とその前後3時間ずつの間にこれらのツイートが見られた回数、総インプレッションは、およそ8億に達した。
期待できるのはブリー・ラーソン
一方、もしあなたが同賞に関連して何かをツイートをした場合、それに返信してくれる可能性が最も高いスターは誰だろうか?ツイッターのデータにより、その人物が明らかになった。
それは、『ルーム』で主演女優賞にノミネートされているブリー・ラーソン(@BrieLarson)だ。今年のゴールデン・グローブ賞のドラマ部門で主演女優賞を獲得したラーソンは、ジェニファー・ローレンス以来、最も急速な勢いでスターダムにのし上がっている女優だと高く評価されている。ラーソンはまた、フォーブスの「30アンダー30」にも選ばれた。
ラーソンを支持しているのは業界だけではない。ツイッターのフォロワー数は約6万6,000人。ラーソンはフォロワーたちのツイートには頻繁に返信やリツイートをしており、ギターを演奏する動画を投稿した人に褒め言葉を送ったり、大学内での性的暴行の撲滅を訴える活動に賛同する考えを示したりしている。
ラーソンのほかにツイッター上で反応が期待できるのは、『ルーム』で初めて監督賞候補に選ばれたアイルランド出身のレニー・アブラハムソン(@lennyabrahmson)だ。フォロワー数はおよそ1万5,000人ほどだが、飼い犬が行方不明だとの隣人の投稿をリツイートするなど、一般のツイッターユーザーたちと同じようにやり取りをしている。
『スポットライト 世紀のスクープ』で助演男優賞にノミネートされたマーク・ラファロは、候補者の中では最も多い約223万人のフォロワーを擁する。リベラル派のラファロは、政治的な問題についても積極的にコメントやリツイートをしている。
ファンとしては、こうしたスターたちとのやり取りは、嬉しいことであり、満足感を得られることでもあるだろう。だが、有名人たちにとってソーシャルメディアは、楽しみではなく仕事の場合もある。ここで紹介した3人以上に大規模かつ活発にソーシャルメディアを利用している有名人たちにとっては、ツイッターなどでの交流はある種の「資金」だ。
ソーシャルメディア上で人気を得ることは、ファン層の基盤を確立することにもなる。つまり、役柄のためであれ何か宣伝のためであれ、返信やリツイートが仕事だと考えるスターにとっては、優れたマーケティングツールなのだ。