直近の投資ラウンドで企業価値450億ドル(約5兆円)と評価され、18か月ぶりに旗艦モデルを発表したシャオミにとっては大胆な賭けだ。
値段は安いがMi5のスペックには目を見張るものがある。Proエディションのケースには通常のガラスやメタルではなく耐久性のあるセラミックを採用。より実物に近い色彩を実現する16メガピクセルの新しいソニー製カメラやクアルコムの最新チップ「Snapdragon 820」を搭載している。このチップが発売されたのは1月で、スマホに採用されるのはMi5が初めてになりそうだ。
さらにMi5は129グラムと軽い(iPhone 6Sは143グラム)。Android 6.0 Marshmallowベースの最新ファームウェアMIUI 7を搭載している。
24日の発表を行ったシャオミ国際事業部門の統括責任者ヒューゴ・バラによると、Mi5は3月1日に中国で発売されたのち、インドで発売。その後、各国で展開するという。
今回MWCに初めて登場したシャオミには、中国での売上が振るわないため海外市場での成長を促進したい思惑もある。シャオミの共同創業者でCEOのレイ・ジュン(雷軍)は2015年に8,000万台~1億台のスマホを売るという目標を掲げたが、実際の販売台数は7,000万台だった。
その原因の1つは、中国のスマホ市場においてアップルがシェアを伸ばしていることだ。iPhoneの価格はシャオミのスマホの2倍だが、ステータスシンボルとして買い求められている。
また、Canalysの調査によると、中国で販売されるスマホの平均価格は2013年に255ドルだったが、2014年には260ドル、2015年には319ドルまで上昇している。お買い得感をアピールするシャオミの魅力は薄れているのかもしれない。
シャオミはまだアメリカやヨーロッパでスマホを発売していないが、ヒューゴ・バラが「アメリカを視野に入れている」と発言したとの報道もある。
シャオミが次にMi5を投入する市場はブラジルである可能性が高い。ブラジル人であるバラは2015年7月、160ドルからのスマホRedMiを同国に投入し成功を収めている。