同社はあいまいになり得る「ブランド」という言葉を、「マーケティング関連の無形資産であり、商品やサービス、組織、またはそれらの組み合わせを特定することを目的とした名称、用語、記号、シンボル、ロゴ、デザイン、またはそれらの組み合わせであり、人々の間に明確なイメージと関連性を生み出し、それによって経済的利益と価値を創造するもの」と定義している。
これらの資産を組み合わせると、どの企業が最も高い価値を有することになるのだろうか。ブランド・ファイナンスは企業のマーケティング向けの投資や顧客と従業員の信用に基づく価値、マーケティング活動とこうした信用が企業業績に与える影響といった要因について調査を実施。調査対象の各企業のブランド力を数値化し、比較した。
今年の第1位に輝いたのは、ディズニーだった。ブランド・ファイナンスは、「ディズニーの強みは、その長い歴史とオリジナルの作品によって築かれている。だが、現在のその優位は数々の買収によって傘下に収めた有力ブランドによるものだ。スポーツ専門チャンネルのESPN、ピクサー、ザ・マペッツ、マーベルは今、ディズニーの傘下にある。ディズニーが買収した企業の中でも最も大きな影響をもたらしたのは、恐らくルーカスフィルムとその作品、スター・ウォーズ・シリーズだろう」と説明している。
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』は、ディズニーの輝かしい歴史の中でも最も成功を収めた映画といえる。興行収入は総額20億ドル(約2,240億円)を大きく上回り、関連グッズだけでも7億ドル以上の売り上げを記録している。ブランド・ファイナンスは、スター・ウォーズは総額およそ100億ドルを超える価値を持つとみている。これは、ルーカスフィルムの買収金額として4年前に支払った額の2倍以上に相当する。
一方、広く愛され続けるデンマークの玩具メーカー、レゴは王座を明け渡したとはいえ、第2位に付けた。ブランド・ファイナンスはレゴが順位を落とした理由として、同社が小売店に割引販売を行わないよう圧力をかけたことを挙げている。また、中国人芸術家、艾未未(アイ・ウェイウェイ)による大型作品へのレゴの使用を拒否する考えを示したことが、「結託した検閲だ」と批判されたことも影響しているとみられる(レゴはその後、政治的な目的で同社製品を使用することを制限する方針を撤回したという)。
今回発表されたランキングにはこのほか、ロレアル、プライスウォーターハウスクーパース(PWC)、マッキンゼー、ナイキ、コカ・コーラ、NBCテレビ、グーグルが上位に名を連ねた。