ツイッター、企業向け機能を強化 DMの送受信を促進

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ツイッターのジャック・ドーシーは、CEOに就任した6か月前からカスタマーサービスに注力することをほのめかしていた。

ツイッターは2月18日、企業とユーザーの対話を改善する新ツールを発表した。ユーザーが企業アカウントに対してメッセージを迅速に送れるよう、企業ツイートにダイレクト・メッセージをワンクリックで送信できる機能を設置する。

さらに、今後数週間で、カスタマーサービスを行った後にアンケートをユーザーに送れるようにする。ツイッターによると、多くの広告主がカスタマーサービスに関するリクエストの80%をツイッター経由で受け取っており、毎月数百万件のカスタマーサービス関連のやり取りがツイッター経由で行われている。新ツールは、ツイッターにとっては新たな収入源となる可能性も秘めている。

ツイッターのプロダクトマネージャーであるIan Cairnsは「ツイッターは企業と顧客がつながるのに最適な場所です」とブログで語る。「ツイッターで顧客とやり取りしている企業は成果を上げています。顧客の満足度が高いだけでなく、ツイッター経由での問題解決のコストは、コールセンター経由でのコストの6分の1です。これはブランドロイヤルティ(顧客のブランドに対する忠誠心)と売上増につながります」と語る。

カスタマーサービスに関するやり取りでは個人情報が必要となることが多く、プライベートメッセージを送れるリンクは重要な機能となる。

ソーシャルメディア管理サービスを提供するスタートアップSprinklrのElizabeth Closmoreは次のように述べる。「マーケティングで今注目されているのが顧客の“ケア”です。今回の新機能の導入は、ツイッターが顧客との対話への取り組みを進めていくことの宣言であり、ブランドは顧客らに迅速かつ効率的に対応することができます」

ツイッターによると、ユーザーからのフィードバックをより数値化しやすくしてほしいという要望が企業から上がっていたという。ツイッターのアンケートツールでは、業界のスタンダードであるネットプロモータースコア(NPS)とカスタマーサティスファクション(CS)を指標として採用する。ツイッターによるとこれらの指標はHootsuiteやLithium, Salesforce、Spredfast、Sprinklr、Conversocial、 Sprout Social、Sparkcentralなどのソーシャルメディア管理サービス系の企業で採用されている。

ツイッターは広告からかなりの収入を得るようになったが、ここ2年近くは売上の伸びが鈍っている。2月初旬には第4四半期に純損失を出したことを発表した。ツイッターにとってカスタマーサービスは、売上を増やすだけでなく、最終的にはダイレクトメッセージをも収益につなげるための重要なサービスになりえる。ジャック・ドーシーは2015年10月に行った第3四半期の業績報告で、カスタマーサービスに注力すると強調していた。

「良い声であれ悪い声であれ、顧客の声をダイレクトに受け取れるカスタマーサービスへの需要は常にありました。それを簡単に実現できるポテンシャルがツイッターにはあると考えています」とドーシーは述べていた。

編集=上田裕資

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