ピエール・ガニェールといえば、ミシュランの3つ星シェフとして名高いフランス料理界の巨匠。彼が世界中に展開する11軒のレストランのなかでも最も高層階に位置する東京店には、都心の美しい眺望を楽しめる席が多々ある。特に入り口から続く廊下の右手に設けられた2卓は西向きの窓に面しており、晴れていれば写真のように富士山まで見渡せる特等席。特別な休日、眼下に広がるパノラミックな夜景を眺めながらの乾杯は、最高にドラマティックな時間を約束してくれる。
料理の芸術性の高さから「厨房のピカソ」の異名をとるガニェール氏は、独創的な素材の組み合わせによる想像を超えた味わいを、多皿構成で提供するスタイルが特徴。東京店の厨房ではガニェール氏の下で11年以上腕を磨いた赤坂洋介シェフが、師のイメージと日本の 四季の食材を調和させている。例えば2014年冬のディナーの一皿目の前菜は、ポワローのクリームを絡めたタラバガニと柚子の香るシャンパーニュのジュレ、イクラ、シェリー酒を効かせた帆立貝、マッシュルームのコンソメトリュフ風味、ジャガイモのアイスクリームとクレープ、そしてキャビアを使用した一皿。
舌が混乱しそうなほど多くの要素が一皿の中に存在するが、さまざまな美味を時間差で味わうことは音楽を聴くことと同じで、一種の時間芸術。美しい調べに耳を傾けるように、味覚に意識を集中して楽しみたい。
ディナーコースは前菜とデザートの品数が異なる2種類があり、オプションの「アニバーサリープラン」(¥1,000/前日までに要予約)を利用すれば、特別な日をいっそう盛り上げる演出が可能だ。
ちなみに店内の奥には、東京湾を望む特等席もある。
Pierre Gagnaire
●東京都港区赤坂1-12-23 ANAインターコンチネンタルホテル東京36F
☎ 03-3505-1111
営 12:00~14:00LO/18:00~21:00LO
休 月
●ディナー ¥15,741~
www.anaintercontinental-tokyo.jp
※店舗情報は2014年12月現在のもの