米国のぽっちゃり女王、アシュリー・グラハム 「スポーツ・イラストレイテッド」表紙に

アシュリー・グラハム (Noam Galai / Getty Images)

アシュリー・グラハム (Noam Galai / Getty Images)

ぽっちゃりモデル、アシュリー・グラハムの快進撃が止まらない。先月発表されたフォーブスの2016年版「30歳未満の30人:アート&スタイル部門」トップに続き、ついに「スポーツ・イラストレイテッド」水着特集号の表紙モデルに抜擢された。

身長176.5センチ、スリーサイズは上から96.5、75、114センチ。洋服とブラのサイズはそれぞれ14〜16号サイズ(日本の婦人服の17〜19号、3L程度)、トリプルDカップ(日本のF〜Gカップ相当)。豊かな曲線美を描く自身の体型を、カーヴィーとセクシーとデリシャスを足した「カーヴァセクシリシャス」(Curvasexilicious)と称する。

「私を表紙モデルに選ぶなんて危険な賭けに『スポーツ・イラストレイテッド』が出るなんて、最初は信じられなかった。彼らは他の雑誌やデザイナーやハリウッドに代わって、新基準を打ち立てたのね」

2月15日、情報番組「アクセス・ハリウッド」に出演したグラハムはそう語った。

スポーツ週刊誌である「スポーツ・イラストレイテッド」が1964年から刊行している年に一度の水着特集号は、全米が注目する大イベントだ。毎年、時代を象徴するトップモデルが表紙を飾り、公称読者数は6,000万人、52年間の総売上は10億ドル(約1,196億円)にのぼる。

グラハムは昨年の水着特集号でも中の広告ページに登場していたが、彼女のようなぽっちゃり体系のモデルが表紙になるのは同誌史上初めてのこと。また、もうひとつの初の試みとして今年の表紙は3バージョンあり、グラムの他に美脚のブロンドモデル、ヘイリー・クラウソンと総合格闘家のロンダ・ラウジーが選ばれた。

ネブラスカ州リンカーン出身のグラハムは12歳の時、州都オマハのショッピングモールでスカウトされてモデル業を開始。一貫して、ふくよかな美しさを売りにしてきた。自身でつけた肩書きは「ボディ・アクティビスト(肉体活動家)」。

アメリカ人女性の半数を占める14号以上サイズで、180億ドル(約2兆1,530億円)市場を代表する存在だ。実業家としても活躍しており、カナダのプラスサイズの女性向けアパレルチェーンAddition Elleで展開中の自身のランジェリーブランドは年商160万ドル(約1億9,130万円)を誇る。さらに今年5月には、Swimsuits For Allと組んだ水着ラインをローンチする予定だ。

グラハムは今回の大抜擢を「価値観の開放を示す歴史的出来事だ」と捉えている。「ピープル」誌のインタビューでは、先輩モデルのタイラ・バンクスからメールをもらったことを明かした。そこには「おめでとう。(表紙起用は)私のキャリアにおいて決定的な出来事だった。あなたのキャリアにとってもそうなるでしょう」と書かれていたそうだ。

1996年と1997年、水着特集号の表紙初の黒人モデルになったバンクスはその後活躍の場を広げ、現在はリアリティ番組『アメリカズ・ネクスト・トップモデル』のホスト兼プロデューサーとして人気を博している。

2016年版水着特集号のグラハムの表紙は、手つかずの自然が残る西インド洋タークス・カイコス諸島で撮影された。紫と黄色のビキニをまとって波打ち際に佇む彼女は、本人曰く「100パーセント本物」である。

「編集部は修正をまったくしなかった。体のラインを削ったり、変な画像加工は一切加えてないのよ」

編集=海田恭子

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