TED会場を沸かせた仮想現実ヘッドセットMetaの実力

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拡張現実(AR)をめぐる競争に新たな参入者が現れた。Metaの創業者でCEOのMeron Gribetzが2月17日、TEDでMeta 2ヘッドセットのデモを行った。マイクロソフトのHoloLensや、グーグルの謎に包まれたMagic Leapプロジェクトにとっては新たなライバルの出現だ。

Gribetzがコンピューターにつないで披露したデモでは、空中で回したり分解したり操作できる本物のようなホログラフィや、物理的なモニターに取って代わる仮想モニター、テレプレゼンス技術を用いて実演した仮想空間でのコワーキングなど、我々がARと結びつけて考えている素晴らしい技術が盛り込まれていた。

Gribetzによると、このヘッドセットは人々の感覚を拡張するような新しいインターフェースだ。ARは「デジタルデバイスを使って我々の体をいかに拡張するか」ということであり、Metaは物理的な世界の上にデジタルな情報を載せることを可能にするとGribetzは説明する。さらに来年までには従業員のパソコンのモニターをヘッドセットに置き換えると約束した。

Metaはヘッドセットをデモで公開したものの、全貌を明らかにするのは2週間先としている。同社はリリースに向けてウェブサイトでカウントダウンを行っているほか、テック界の有名どころが同社のヘッドセットについて熱心に語る映像を公開している。

HoloLensやMagic Leapにも詳しいインベスターがMetaのヘッドセットを使ってみたところ、有名な競合他社の製品の機能の多くを、より少ないコストで実現していると述べた。

Metaは2012年に設立され、最近になってシリーズAの投資ラウンドで2,300万ドル(約26億円)を調達した。それ以前はシードラウンドで名門VCのY コンビネーターから出資を受けたり、クラウドファンディングのKickstarterを通じて資金を調達したりしていた。ちなみに、ライバルのMagic Leapは最近行った投資ラウンドで驚愕の8億2,700万ドル(約940億円)を調達しており、この分野はVC界隈から最も熱い視線が注がれている分野だ。

Metaはカリフォルニア州レッドウッドシティに本社を置き、従業員数は80人を超えている。

編集=上田裕資

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