フェイスブックは今年4月12日に「F8 デベロッパー・カンファレンス」を開催するが、その当日から、全てのパブリッシャーがIAのプラットフォームで記事を掲載できるようになる。
同社は昨年5月、ニューヨーク・タイムズやナショナル・ジオグラフィック、NBCニュースらと共同でIAプラットフォームの実験を開始。現在までに数百に及ぶメディアが参加している。IAプラットフォームは高品質のデザインに対応し、高解像度の画像の掲載が可能。動画のオートプレイ機能やインタラクティブな地図の掲載にも対応している。
広告記事の掲載やバナー等の埋め込みも許可されており、パブリッシャーは収益の100%を得ることができる。フェイスブックに広告販売を委託することも可能で、その場合は30%がフェイスブックの取り分となる。閲覧データはフェイスブックとパブリッシャー間でシェアされるが、パブリッシャー側は独自のトラフィック計測を行うことも可能だ。
IAへの参加はメディア関係者の間に、「自社サイトのトラフィックを減少させるのではないか」という懸念を抱かせている。また、フェイスブックは頻繁にアルゴリズムの更新を行うことで知られ、IAにおいてどの記事が頻繁に表示されるかは、フェイスブックのコントロール下に置かれることになる。しかし、モバイルでの収益化に苦戦する多くのパプリッシャーにとって、ここに参加することは魅力的に映るだろう。
フェイスブックによるとIAプラットフォームは、特にモバイルでの記事の表示スピードの改善に務めてきたという。
「記事の読み込み速度が遅いという問題は、特にネットの接続スピードが遅い環境にあるユーザーの負担になっていた」と同社の製品担当者、ジョシュ・ロバーツは述べている。
「今後は全てのユーザーらが快適な環境でパブリッシャーの記事を読めるようになる。IAを全面開放することは、弊社にとってもユーザーにとっても非常に意義深いことだ」
フェイスブックはニュース分野においても非常に強力なプラットフォームに成長しつつある。直近の四半期でフェイスブックの月間アクティブユーザーは15億9,000万人に達している。