研究リーダーのカウシィク・ジャヤラムによると、ワモンゴキブリの外骨格は通常地上から1.3センチほどの高さだが、胴体を調節することで“ペニー硬貨2枚分”の厚さ(数ミリ)まで体を潰すことができるという。また、ゴキブリは体重の300倍近い圧力に耐えることが可能だ。退治したいなら、少なくともさらに600倍の力をかけて叩かなければならない。
同校Poly-PEDAL Labのロバート・フルと共同で、“折り紙スタイル”のロボットの試作品を開発したジャヤラムは「ゴキブリは柔軟で頑丈なだけでなく、不安定な地形でも素早く動ける理想的な構造になっている。足を使って逆さに向きを変え、さらに表面摩擦も駆使することで、1秒間に体長の20倍の距離を進むことができる」と説明した。
ロボットの理想的な形や動きの仕組みの探索は活発に行われ、自然界にあるものも多くのヒントを提供している。ゴキブリという非常にタフな昆虫に目をつけたフルは、「今回のロボットは試作品に過ぎないが、ソフトロボットとして我々が最も効率的だと考える昆虫をモデルにすることで、新たな方向の可能性を示した。外骨格を持つ動物である昆虫は地球上のどこにでも生息し、最も繁栄した動物と言える。これらと同じことをできるロボットをどうやって作るか考えるべきだ」と述べた。