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2016.02.17

米最高裁判事の死去 大統領選控える米財界への影響は

Evlakhov Valeriy / Shutterstock



スカリア判事はロナルド・レーガン大統領(共和党)の指名を受けて就任。リベラル派の論理はあいまいだと指摘し、容赦ない物言いをすることで知られていた。在任期間は最長だった。

スカリア判事は卓越した法学者であり、個人の権利を強く擁護することでも知られたが、不法薬物やポルノ、同性婚など、従来の宗教的、倫理的価値観と相いれない考えについては、認められないとの姿勢を貫いた。

米財界は、そのスカリア判事の予想しやすい法解釈のあり方を高く評価していた。保守派は厳格な法の解釈に基づかない判決や、判事の考えを示す先例の提示による判断は結果ありきで、単に一件の訴訟に対する判断にすぎないと考えるためだ。

エール大学法科大学院のある教授によれば、「スカリア判事は、判事たちが厳格な憲法解釈や制定法の解釈から外れそうになっていると考えられた際の、裁判所の良心だった」と指摘している。

米財界は少なくとも、オバマ大統領による新判事の指名について嘆く必要はない。現職のソニア・ソトマイヨール判事やエレナ・ケーガン訴務長官はいずれも、社会問題についてはリベラルな価値観を歪めているとされ、一方では特許や契約に関連した問題を扱う商法に関して、鋭い知性と穏健な見解を示している。

編集 = 木内涼子

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