イーロン・マスクCEOは株主向けの四半期報告書で、同社は2016年、Model SとModel Xの生産台数を2015年度の5万580台から8~9万台に引き上げる計画だと表明。また、価格 8万ドル(約909万円)のModel Xの量産が遅れていることについては、品質面の問題は解消し、生産拡大を急いでいると説明した。第2四半期までには、週当たり1,000台の生産が可能になる見込みだという。
この発表により、モデルXの生産に遅れが出ていることに気を揉んでいた投資家たちは胸をなで下ろすことができるだろう。テスラの株価は年初来36%下落しており、10日の決算発表を前にした時間外取引では、3%値下がりしていた。
テスラに対しては、より手頃な価格のModel 3の発表を急ぐようにとの圧力が高まっている。これについてマスクは、2017年末までには納車が可能だと明らかにした。価格3万5,000ドルとなるModel 3は、今年3月末に発表の予定だ。
また、マスクによれば同社は2016年に増益が見込めることから、15億ドルをModel 3の生産やネバダ州のバッテリー工場の機械設備への投資に充てる考え。販売店やサービスセンター80か所余りを新設し、充電用の無料コネクター、スーパーチャージャーを新たに300か所に設置する予定だ。
ただし、マスクが2016年の業績見通しについて楽観的な姿勢を示す一方で、テスラは2015年第4四半期、11四半期連続で赤字を計上している。第4四半期の純損失は3億2,040万ドルで、前年同期の1億760万ドルからさらに拡大した。