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市場を活性化させた「黒田バズーカ」の第二弾。だが、安倍首相が安心するのはまだ早い。市場が味覚音痴になる前に、いまこそ、消費税引き上げの議論に決着を付けるべきと筆者は説く。

 (中略)黒田総裁の今回の金融緩和措置のおかげで、株式市場は大いに活気づくと思われる。これにより、安倍首相は次の引き上げについての政治情勢を探る時間をもう少し稼げたと感じるかもしれない。しかし、実際は逆だ。株式市場関係者は、今春の引き上げによるマイナスの影響をよく覚えており、次回の引き上げについての不安を無意味に引っ張るのは得策ではない。とりわけ、日銀のとった措置の後ではなおさらである。不安は、資本コストを上昇させる。
 興味深いことに、黒田総裁は、今回の緊急緩和策について賛成5、反対4の投票でもあえて行った。1度目の消費税引き上げ時のようなコンセンサスを、2度目も得られることはない。だからこそ安倍首相は、黒田総裁と同様、勇気を持って自分の意見を言い、それを実行すべきだろう。これは、市場から不安を取り除くためであり、それも素早くやる必要がある。

カメラ、ドリルと「ROE」
 ところで、「フォーブス ジャパン11月号」の「プロ経営者」に関する特集記事は興味深いので、読者諸賢に一読をお勧めする。LIXILの藤森義明CEOが表紙を飾っていたが、これは彼が日本人であり、LIXILにおける昇進が異例に早かったためである。藤森氏の場合、LIXILに入ることは完全な異業種に移ることであった。
 藤森氏が加わってから、同社の業績予想を策定するのが難しくなった(そのほとんどが、上下どちらかに外れた)。つまり、これは藤森氏をもってしても、LIXILのような複雑な会社をコントロールするのがいかに大変かを物語っている。藤森氏は極めて優秀だが、LIXILもまた非常に複雑な会社なのである。

 かくいう私は、正真正銘のアングロサクソンの資本主義者だが、過去20年以上にわたり日本の経済が低迷した原因が、プロ経営者がいなかったことにあるとは思わない。投資家として、また経営者として、私は日本独特のビジネスの形態が好きだ。確かに、日本における従業員と会社の家族的な関係は一朝一夕に形成されるものでない。それでも、長い目で見れば、その関係は企業の高収益へと結びつくからである。

 カメラやクルマ、ドリルといった昔ながらの機械を一度でもいじったことがあるなら、機械を効果的に使うために必要な知識の多くはマニュアルには書いてないことをご存じだろう。時間と経験、そして慣れが必要なのである。
それは会社の経営と同じで、ROE(自己資本利益率)目標を設定することより重要だ。なぜなら、会社のことを本当に理解するまでは、どの程度のROEを上げられるかはわからないからである。機械いじりと同じように、会社をよく理解してからROEの目標を設定するのである。

ROEといえば、政府は来年、日本郵便を東京証券取引所に上場させたいと考えている。しかし、ひとつ問題がある。日本郵便の評価をする際、日本のメガバンクがその比較対象とされるのは自然なことだろう。

 しかし、これらの銀行の株は、純資産を30%以上も下回る価格で取引されているのである。政府は純資産を大幅に下回る価格で国の財産を売ることは避けたいと考えており、メガバンクに対しては、現在、配当を引き上げるようにとの政治的な圧力を強くかけている。株価収益率ベースでは、メガバンクの株式がとても安いため、配当利回りはすでに高くなっている。

 とはいえ、政治的な理由から株価を純資産に近づけるために、配当性向をさらに引き上げなければならないかもしれない。上場後、日本郵便が同じくらいの配当をするかどうかは興味深い。(以下略、)

デービッド・スノーディ

 

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