海外留学も「爆買い」の中国ミドル層 関連サービスが活況

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中国のミドルクラスは豊かになり、そして世界に飛び出している。中国人の旅行関連支出は2020年までに2,000億ドル(約22兆4,000億円)に達し、米国市場を超えると予測されている。

旅行ブームの次に期待されるのが、中国人の海外留学ブームだ。留学生の住居を仲介するStudent.comは10日、VYキャピタルのアレキサンダー・トーマス、音楽ストリーミングSpotify創業者であるダニエル・エックとマーチン・ローレンヅォン、シャオミ(小米)のヒューゴ・バラなどテック業界の複数の資産家から6,000万ドル(約67億円)の資金を調達した。

英国生まれで上海を拠点にするルーク・ノーランが2011年に設立したStudent.Comは海外の学生に安全な住まいをオンラインで仲介する。同社はロンドン、上海、ニューヨーク、香港にオフィスを持ち、35の国籍の200人が働く。2015年は100カ国の学生に対し、420以上の都市の物件を仲介し、1年間の契約額は1億1,000万ドル相当だった。

ユーザーの多くは中国人だが、インドや韓国、ナイジェリアでも急成長している。ノーランは「親は子供に海外経験を積ませたがっており、留学する学生は大きく増えている」と語った。

Student.comに重要なのは信用と安全を確保し、学生の両親らから信頼されることだ。ノーランは、「多くの学生は留学先を訪れたことがなく、両親は現地の言葉を話せない。私たちのサイトで決定を下すことに安心感を持ってもらう必要がある」と強調する。

Student.comのセールス担当者は各都市を訪問し、大学や家主、学生組合、教授、そして地方政府について紹介する。プラットフォームの分かりやすさにも注力し、ユーザーとその親はサイト上で、住まいや支払い情報、移動手段を簡単に見つけられるようになっている。シドニーでもドバイでも、希望の部屋を探し出せる。住まいを確保した後は、アルゴリズムを使って同じような趣味や習慣を持つルームメイトや隣人まで紹介してくれる。

ノーランは、今回の資金調達によって「現在の事業を拡大するだけでなく、米国、南米、中東、アジアでも市場を開拓したい。今まではアジア人学生の西欧国家への旅に重点を置いて来たが、今後は逆方向のルートも強化したい」と語った。

編集=上田裕資

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