CNILが指摘した違反行為の一つは、フェイスブックに登録していないユーザーがフェイスブックにアクセスした際に、クッキーを使って行動を追跡していたというものだ。また、フェイスブックがクッキーを広告表示に利用することをユーザーに説明しておらず、承諾を得ずに行動追跡をしていた点について問題視している。CNILは声明書の中で、フェイスブックが広告目的のデータ収集をブロックするツールを提供していないことは、「プライバシーの尊重をはじめとするユーザーの基本的な権利や利益を侵すものだ」とリリース文の中で述べている。
CNILはEUから米国への個人データ移転を認める「セーフハーバー協定」が昨年秋に無効になったにも関わらず、フェイスブックがフランス国民の個人情報をアメリカのデータセンターに移転していることを問題視している。セーフハーバー協定に代わる新たな枠組みである「プライバシーシールド」は現在協議中で、近々合意に達すると見られている。
「フェイスブック利用者のプライバシー保護は、当社のあらゆる業務の中核をなしています。当社はEUのデータ保護法を遵守しており、CNILと話し合いを行い、懸念を払しょくしたいと考えています」とフェイスブックの広報担当者はフォーブスの取材に対しメールで回答した。