フェイスブック 仏で直面するプライバシー保護規制

FacebookのCEOマーク・ザッカーバーグ氏。(Photo by Arun Sharma/Hindustan Times via Getty Images)

フランスのデータ保護当局(CNIL)は2月8日、フェイスブックに対して個人情報の収集方法を3ヶ月以内に改定するよう通告した。当局は2015年3月より調査を進めてきた結果、フェイスブックの個人情報の取得方法はフランスのデータ保護法に違反しているとして、プレスリリースを公表した。

CNILが指摘した違反行為の一つは、フェイスブックに登録していないユーザーがフェイスブックにアクセスした際に、クッキーを使って行動を追跡していたというものだ。また、フェイスブックがクッキーを広告表示に利用することをユーザーに説明しておらず、承諾を得ずに行動追跡をしていた点について問題視している。CNILは声明書の中で、フェイスブックが広告目的のデータ収集をブロックするツールを提供していないことは、「プライバシーの尊重をはじめとするユーザーの基本的な権利や利益を侵すものだ」とリリース文の中で述べている。

CNILはEUから米国への個人データ移転を認める「セーフハーバー協定」が昨年秋に無効になったにも関わらず、フェイスブックがフランス国民の個人情報をアメリカのデータセンターに移転していることを問題視している。セーフハーバー協定に代わる新たな枠組みである「プライバシーシールド」は現在協議中で、近々合意に達すると見られている。

「フェイスブック利用者のプライバシー保護は、当社のあらゆる業務の中核をなしています。当社はEUのデータ保護法を遵守しており、CNILと話し合いを行い、懸念を払しょくしたいと考えています」とフェイスブックの広報担当者はフォーブスの取材に対しメールで回答した。

編集=上田裕資

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