2月7日に開催された第50回スーパーボウルのハーフタイムショーでビヨンセが新曲「フォーメーション(Formation)」を披露して以降、同店には客が殺到。売上高は約30%増加した。ツイッターへの店名の投稿数も30万件以上に急増し、「レッドロブスター」は初めてトレンドになった。同社の広報担当者はこの状況について、「レッドロブスターでの食事はベッドでしてくれたことへのご褒美」との歌詞が大きく影響していると説明した。
およそ1年ぶりのリリースとなった「フォーメーション」の歌詞は政治色が濃く、議論を呼びそうな内容も含まれる。今月6日のストリーミング・サービスでの配信が開始して以降、ユーチューブでの再生回数はすでに1,700万回を超えている。
こうしたなか、レッドロブスターが批判の的となったのは、気の利いたコメントを期待して数多くの人たちが同社のソーシャルチャネルにアクセスしたにもかかわらず、翌日まで何の反応もなかったことが理由だ。さらに、待ちに待った同店の新規の投稿も、メニューにある「チェダービスケット」を取り上げたつまらないジョークだったのだ。
今後の展開が見もの
レッドロブスターのソーシャルメディア・チームはその後、大きなチャンスを逃したことを公式に謝罪。「多忙だった」と弁明した。理想的な対応ではないが、少なくとも過ちは認めたわけだ。
キム・ロップドラップCEOは9日に声明を発表。ビヨンセが同社に与えてくれた幸運について、「特に消費者の方々の反応を非常にうれしく思っている。ビヨンセがレッドロブスターの新たなファンを生み出してくれたことは明らかだ。彼女に感謝している」と述べた。
ビヨンセに自社の製品やブランドの名前を「呼んで」もらうことは、すべての企業にとっての夢だ。ビヨンセの評価には、多大な影響力がある。仮に「フォーメーション」がヒットしなかったとしても、「レッドロブスター」にはこれまでとは違う、新たな意味が付け加えられたことになる。
今後、同社がこれを自社の強みとして活用し、「クールさ」という新たな一面を推し出していくのか、あるいはビヨンセがもたらした性的な意味合いを一掃しようとするのか、その対応のあり方に関心が集まっている。