若年層の冠動脈疾患リスクに関して、3,300人以上の被験者を長期的に調査した研究が、米国医師会発行の冊子「JAMA Internal Medicine」に掲載された。研究開始当初の被験者の年齢は18〜30歳で、それから25年間観察を続けた。
被験者らは大麻の使用に関する質問にも答えており、84%の被験者が長い年月の中で、幾度か大麻を使用していた。ほとんどはヘビーユーザーではなく、多くは中年になって使用をやめたが、11%はいまでも常用者だ。
研究開始から25年後、被験者は単語のリストを思い出す記憶テストや、認知力のテストを受けた。その結果、大麻を常用している人は言語記憶が少し衰えていることが確認された。
過去に大麻を使用したことがある50%は、まったく吸引したことがない人よりも、15の単語一覧のうち覚えている単語が1つ少なかった。覚えている単語が1つ少ないくらいでは、そこまで大きな違いはないように思うかもしれない。しかし、これは統計的には意味のある数字だ。
ただし、この研究では長年にわたって、どのように認知力が変化したのかを説明できていない。つまり、そもそも言語記憶力が弱い人が、長年にわたり大麻を使用する傾向があるのかもしれない。
大麻が健康に与える影響に関しては、もっと多くの研究が必要だ。大麻のヘビーユーザー、特に脳が未発達の若年層にとっては有害に思えるが、時々大麻を楽しむ程度のユーザーには、認知力や行動に特に問題がないように見える。
最近の合法化の流れによって、米国内では大麻使用者が増加する可能性がある。研究者の立場としては、大麻の使用によって起こりうる潜在的な悪影響について、警告を発し続けていくしかない。