メールを出してまで売り込むというのは、Model Sの需要が横ばいか、減少気味だということなのかもしれない。
テスラでは新型車のModel XをModel Sと同じラインで生産している。さらに同じデュアルモーターを搭載しているため、生産計画の変更は簡単にできる。つまり、Model Sの需要が横ばいか下降していたとしても、Model Xの生産を増やせばよいということだ。ただし、パーツの生産を増やし、製造を担当する従業員が慣れるのに時間が必要であるため、実際に増産できるのは数か月後になるだろう。
イーロン・マスクCEOは2月10日に通年の売上見通しを発表する。当日は建設中のギガファクトリーや3月27日に発表されるModel 3についての情報も期待されている。
テスラの2016年の売上は88億ドル(約1兆円)とウォール街は予想している。これを達成するには8万台を売らなくてはならない。Model Sが5万台売れれば達成可能だが、需要が減っているようであれば難しいだろう。楽観的な見通しを示していたモルガンスタンレーでさえ2月1日に予測を下方修正し、パシフィッククレスト証券はModel Sの需要のみならず、Model Xの受注状況まで懸念する見方を示している。
下落が止まらないテスラ株
テスラの株価は年初の240ドル(約2万7,000円)から39%減の147ドル(約1万7,000円)まで下落している。第4四半期(2015年10~12月)の販売台数が同社の予測の下限に近い1万7,400台だったことが影響した。140ドル台という株価はここ2年間で最も低い水準だ。