米建設支出 リーマン以降の最高額130兆円に

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米商務省は、2015年の建設支出がリーマンショック以降最高の水準に達したと2月1日発表した。昨年の支出額は1兆970億ドル(約129兆5560億円)と、前年の9,934億ドル(約117兆3,200億円)を大きく上回り(前年比10.5%増)、2007年の金融危機前の1兆1,480億ドル(約135兆5,790億円)に迫る数字となった。

昨年の大幅増加は、民間建設支出が前年の7,177億ドルから8,061億ドルに増加(前年比12.3%増)、支出全体の70%以上を占め、全体を大きく後押しした結果だ。民間建設支出には、集合住宅を含む住宅建設と民間商業施設への支出が含まれる。不動産エコノミストは、住宅着工数が需要に呼応していないことについて警鐘を鳴らし続けてはいるが、2015年は住宅建設支出が4,168億ドルで、新規住宅は前年比12.6%増という結果だった。民間商業施設、民間教育施設、民間宿泊施設からなる住宅建設支出を除く民間建設支出は、前年比12%増の3,893億ドルとなった。

民間セクターの大幅増には及ばなかったものの、公共建設支出もそれなりの伸びを見せた。昨年の支出は、前年の2,757億ドルから5.6%増の2,912億ドルを達成。公共教育施設が前年比6.8%増の673億ドル。高速道路建設が前年比6.7%増の896億ドルとなっている。

前月比ベースでは、昨年12月に建設支出がわずかに増加したのは、民間支出が抑えられたのに対し公共支出が増加したためと、商務省は報告した。12月の全体支出は前月比0.1%増となり、季節調整後の年間総支出は1兆1,170億ドル(約131兆8,730億円)となった。これは、2014年12月時点の季節調整後の建設支出、1兆320億ドルを 8.2%上回る数字だが、(12月の全体支出は)Bloomberg の発表前のエコノミスト予想0.6%増より低めになっている。

昨年12月の民間建設支出は前月比0.6%減で、季節調整後の総支出は8,240億ドルとなった。同様に、住宅建設は11月に予想された4,258億ドルより0.9%増の4,296億ドルで、それ以外の民間建設支出は11月時点で4,030億ドルと取り戻していたのに対し2.1%減の3,944億ドルに留まった。

公共建設は12月時点で1.9%増加し、季節調整後の年間支出を2,925億ドルとした。内、公共教育施設は694億ドルに留まり、前月比0.5%減という結果を示した。高速道路建設は、前月比9.4%増で年間支出は954億ドルとなった。

商務省の調査では、民間部門と公共部門の既存建設物の増改築と新規建設に関わる月ごとの支出を、建設支出としている。これらの支出には、人件費、材料費、建築技術費、他諸経費、工事期間中発生する税と利子、受託業者の利益が含まれる。

編集=上田裕資

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