最後に、日本企業は200社中、8社にのぼる(下表)。14年の15社から7社減となった。業種は転職・人材紹介業のIT企業が多くを占め、それ以外にもゲーム開発・運営、インターネット広告、ソフトウェア会社などが選ばれた。日本企業の時価総額トップは、ゲーム開発・運営のコロプラの24億8,400万ドル。同社は売上高(5億2,400万ドル)、純利益(1億2,700万ドル)でも1位となった。日本企業を世界の売上高10億ドル未満の上場企業と比較すると、厳しい結果となり、今後の飛躍が期待される。
8 JAPANESE COMPANIES
「ベスト・アンダー・ア・ビリオン200」に選出された日本企業
キャリアデザインセンター
CEO:多田弘實 資本金:5億5,866万円
キャリア転職の専門情報サイトなどの運営。1993年設立。本社は東京都港区。売上高76億2,100万円(15年9月期)。従業員数420名。人手不足が追い風となり、「@type」「女の転職@type」「@type営業の転職プラス」などでエンジニアや営業職の求人広告が増加し、最終増益。
コロプラ
CEO:馬場功淳 資本金:63億2,878万円
スマホ向けゲームの開発・運営。2008年設立。本社は東京都渋谷区。売上高723億9,500万円(15年9月期)。従業員は620名。人気ゲーム「白猫プロジェクト」などの好調が続いている。利用者拡大で課金収入を伸ばしている。海外展開も強化。増収増益。
ディップ
CEO:冨田英揮 資本金:10億8,500万円
アルバイト・派遣・正社員の求人広告サイトの運営。1997年設立。本社は東京都港区。売上高195億3,000万円(15年2月期)。従業員1,307名。スマホ版シフトにも成功し、アルバイト情報サイト「バイトル」の利用者が急拡大。サービス業での広告出稿が増加し、増収増益。
エニグモ
CEO:須田将啓 資本金:3億8,190万円
ブランド品などの販売サイト「バイマ」などの企画・開発・運営。2004年設立。本社は東京都港区。売上高22億8,500万円(15年1月期)。従業員50名。主力事業の「バイマ」の会員数の増加、ならびに1人当たり年間購入金額が伸び、売上高は前期比25%増となった。
ファンコミュニケーションズ
CEO:柳澤安慶 資本金:11億1,943万円
インターネット広告。1999年設立。本社は東京都渋谷区。売上高319億9,050万円(14年12月期)。従業員291名。スマートフォン関連需要の拡大で、成果報酬型広告とも呼ばれるアフィリエイト広告が堅調に推移。従来予想を上回る増収増益で、過去最高益を更新した。
フィックスターズ
CEO:三木 聡 資本金:5億0,779万円
ソフトウェア開発(マルチコアプロセッサ関連事業)。2002年設立。本社は東京都品川区。売上高35億8,200万円(15年9月期)。従業員125名。車の運転支援、医療機器、金融向けが堅調に推移。高画質4K映像を保存できる大容量高速記憶装置の開発に積極投資。
M&A キャピタルパートナーズ
CEO:中村 悟 資本金:4億5,480万円
中堅・中小企業向けM&A(合併・買収)仲介サービス。2005年設立。本社は東京都千代田区。売上高28億4,700万円(15年9月)。従業員38名。経営者の高齢化により、中堅・中小企業の事業承継によるM&Aの増加が続いている。増収増益。16年9月期も増益基調。
夢真ホールディングス
CEO:佐藤真吾 資本金:8億0,514万円
建築技術者派遣・エンジニア派遣・人材紹介。1980年設立。本社は東京都千代田区。売上高211億1,500万円(15年9月期)・従業員2,847名(連結3,788名)。売上高5期連続2桁増収。再開発増加で建設技術者の派遣増加、派遣単価も引き上げ、増益。
ベスト・アンダー・ア・ビリオンとは?
「ベスト・アンダー・ア・ビリオン」は、「フォーブス アジア」が毎年、売上高10億ドル未満の会社の中から、過去3年にわたり堅実な収益性、成長性、適度の負債を維持しているアジアの優良企業200社を選出。第一次審査を通過した1万7,000社の中から選ばれた。