そんな中、登場した格安のスタンディングデスクがOristand(オリスタンド)。価格はわずか25ドル。なんと段ボールで出来たこの製品を考案したのはソーシャルメディア管理ツールのHootsuite創立者、ライアン・ホームズ。ちなみに名前のOriは折り紙の折りに由来しているという。
段ボール製の机が25ドルと言われるとお高い気がするが、企業が立ち上がっては消えるシリコンバレーでのニーズに応えるものなのだ。
価格も他のスタンディングデスクと比較すればかなり安い。人気のKangaroo Pro Juniorの小売価格は399ドル(約5万円)。これは格安な方で、Jarvis Bambooは750ドル(約9万円)、NextDesk Terraは1,497ドル(約18万円)だ。
だが、段ボール製と聞き、他のスタンディングデスクと勝負になるのか筆者も最初は懐疑的だった。紙でできているため、液体をこぼしたらすぐに拭かないと強度が弱くなってしまう。だが、乗せるのがノートパソコンぐらいだとそんなに傷むものでもないため、これは妥当な選択なのかもしれない。
Oristandの最大のライバルはイケアのスタンディングデスクで、サイドテーブルと棚を組み合わせて22ドル(約2,700円)で作るものだ。両方使ってみたが、驚くほど安定感のあるうえ折りたたむことができるOristandの方が筆者には良かった。イケアの方はパソコンを下段に乗せて上段に何も乗せないと不安定になるし、折りたたむこともできない。もちろん靴の空箱や本を積み上げてDIYで作るものよりもずっと良い。
ホームズはスノーボードや柔道をやり過ぎた結果、腰を痛めてしまい、医師から「スタンディングデスクを使用するように言われた」とのこと。友人のデザイナー、ネイサン・マーテルに「折りたたみ可能な段ボール製のスタンディングデスクを作りたい」と相談した結果、今年に入りOristandを発売することになった。
「雇用主の立場で考えると、1,000ドルもするようなデスクを従業員の数だけ用意するのはコストがかかり過ぎる」とホームズは言う。Oristandはお買い得なだけでなく、組み立ても簡単。キットが届いたその日に組み立てて使い始めることができるという。
また、Oristandでは企業の名前を入れるなどカスタマイズし、ちょっとした宣伝媒体にすることもできる。すでにUberとSnapchatからカスタムデスクの依頼が来ているとホームズは言う。
Oristandは永遠に使えるデスクではないが、スタートアップ企業が素早く低コストでオフィスを構えるのには役立ちそうだ。