マイクロソフトの第2四半期の実績は、売上高が257億ドル(約3.1兆円)、1株あたり利益は78セントだった。これに対し、アナリスト予想は、売上高252.6億ドル、1株あたり利益71セントだった。
投資家の視線は、引き続きクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」と、クラウド型グループウエアサービス「Office 365」の進捗に注がれている。セグメント別では、「Intelligent Cloud」が売上高63億円で、前年同期比で5%増加した。このうち、クラウドサービスの売上高は前年同期比10%増、Azureの売上高は前年同期比140%増となった。マイクロソフトによると、フォーチュン500社の三分の一が同社のエンタープライズモビリティサービスを利用しており、導入企業数は前年同期比で3倍に増加しているという。
一方、「Productivity and Business Processes」の売上高は前年同期比2%減の67億ドルだったが、Office 365の売上高は約70%増加し、サブスクリプション数は2060万人となっている。また、Dynamics事業の売上高は前年から11%増加した。
マイクロソフトが昨年10月に発表した第1四半期決算では、コマーシャルクラウドの通期売上高予想を82億ドルとしていたが、今回の決算では94億ドル以上に上方修正している。
「世界中の企業がMicrosoft Cloudをデジタルプラットフォームとして活用し、事業の変革に意欲的に取り組んでいる。多くの企業がWindows 10を試し、2億台以上の端末にインストールされている」とサティア・ナデラCEOは発表文で語っている。
クラウド事業では、アマゾンがマイクロソフトのはるか先を行っている。調査会社Synergy Research Groupによると、市場シェアはアマゾンウェブサービス(AWS)の30%に対し、マイクロソフトは10%だという。しかし、マイクロソフトはAzureが前年比140%増となるなど、アマゾンを猛追している。アマゾンが1月28日に発表した第4四半期決算によると、AWSの売上高は前年比で69%増だった。
マイクロソフトのPC事業の成長率は予想通りマイナスとなり、売上高は前年比5%減の127億ドルだった。ウィンドウズの売上高は前年比で5%減少した。同社によると、新OSであるWindows 10のインストール端末は2億台を超えたという。Surfaceに関しては、「Surface Pro 4」と「Surface Book」の発売により売上高は前年比で29%増加した。
投資家は、ナデラが2014年2月にCEOに就任して以来、事業を順調に立て直していることを評価しており、マイクロソフトの株価はこの1年で29%上昇している。一方でナデラはかつて買収したノキアについて、2015年に76億ドルの減損処理を行うという苦しい決断を下している。