eBayは、成長を見せるネット決済部門ペイパルを昨年7月に分離した後、増々成長する電子商取引市場で、競合大手米アマゾンらを相手に売上げを伸ばして何とかシェアを勝ち取り、投資家の信頼を回復する取り組みを行っている。 だが、サービス型ソフトウェアソリューションを提供する米チャンネルアドバイザーによると、昨年末のホリデー商戦後、eコマース各社の既存店売上高が平均13.3%の伸びを見せたのに対し、eBayは4.8%にとどまり、精彩を欠いた。
ペイパル分離後、ドル高も影響してeBayの業績は市場予測に届かず、投資家の不安を煽る結果になった。同社は、2016年第1四半期の売上高がコンセンサス予想の21億6000万ドル(約2,616億円)を下回る、20億5000万ドルから21億ドルになると見ている。1株当たり利益は43セントから45セントとしたが、これもアナリスト予想の48セントを下回る数字となった。
1月28日夕方の株式市場は、投資家の警戒感が株価に反映される結果になったが、第4四半期の売上高23億2000万ドルに対し、その後発表した調整後1株当たり利益は50セントと、アナリスト予想と一致した。
海外に業務展開するアメリカの大手企業の多くが、ドル高という向かい風を受け業績悪化の事態に直面している。売上高の60%近くを海外収益が占めるeBayは、為替の影響を除外すれば、取扱い高は5%上回っていたとしている。
第4四半期のeBayの利用者数は5%増で、1億6200万人を数え、売上高は前年同期の21億8000万ドルより微増の21億9000万ドル(約2,651億円)だった。eBayが、ペイパル分離ベースで決算報告を行ったのは、今期で2期目となる。
1月27日の時間外取引で、eBayの株価は10%下落し23ドル90セントとなったが、前年比では12%増だ。