「確かに、顧客以外には知られていません」と、同社のジョン・クアーズCEO(写真)もそう認める。
だが、その“顧客”の顔ぶれは実に華やかだ。GEやIBM、それにフォード。自動車メーカーにはブレーキやエアバッグなどで使われる部品、マクドナルドには飲料機械用のバルブを供給している。
プラスチックは古くなると、壊れやすくなる。金属は熱しやすく、錆(さ)び付くのも早い。その点、セラミックスは耐久性が高く、錆びることもない。硬度も著しく高められる。その需要は高まる一方だ。
売り上げは12億5,000万ドル(約1,500億円)。だから、クアーズCEOも知名度など気にしていない。
「今の私たちは敵なしですから」
ジョン・クアーズ◎エンジニアリング・セラミックス製造会社「クアーズテック」のCEO。テキサス大学オースティン校で生化学の修士号、ドイツのミュンヘン工科大ビール醸造学科で博士号を取得。クアーズ社の世界最大級のビール醸造所を経て、クアーズテックの前身の「ACXテクノロジーズ」に移籍。2000年にCEOに就任して以降、同社を率いている。