ビジネス

2016.02.10

名門ビール創業一族を潤す「家族事業」

photograph by Jamie Kripke

世界的な人気を誇るビール「クアーズ」。その創業者一族は、アメリカでも指折りの富豪として有名だ。だが、ビール以上に収入をもたらす、ある“ファミリービジネス”はあまり知られていない。それは、禁酒法時代に同社から派生したセラミックス製造会社「クアーズテック」のことである。

「確かに、顧客以外には知られていません」と、同社のジョン・クアーズCEO(写真)もそう認める。

だが、その“顧客”の顔ぶれは実に華やかだ。GEやIBM、それにフォード。自動車メーカーにはブレーキやエアバッグなどで使われる部品、マクドナルドには飲料機械用のバルブを供給している。

プラスチックは古くなると、壊れやすくなる。金属は熱しやすく、錆(さ)び付くのも早い。その点、セラミックスは耐久性が高く、錆びることもない。硬度も著しく高められる。その需要は高まる一方だ。

売り上げは12億5,000万ドル(約1,500億円)。だから、クアーズCEOも知名度など気にしていない。
「今の私たちは敵なしですから」

ジョン・クアーズ◎エンジニアリング・セラミックス製造会社「クアーズテック」のCEO。テキサス大学オースティン校で生化学の修士号、ドイツのミュンヘン工科大ビール醸造学科で博士号を取得。クアーズ社の世界最大級のビール醸造所を経て、クアーズテックの前身の「ACXテクノロジーズ」に移籍。2000年にCEOに就任して以降、同社を率いている。

編集 = Forbes JAPAN 編集部

この記事は 「Forbes JAPAN No.19 2016年2月号(2015/12/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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