2015年末時点で中国のネットユーザー数は6億8800万人で、アメリカの人口の倍以上だった。中国で新たにネットを利用し始めているユーザーの多くはモバイルネイティブで、三分の二以上がPCよりもスマホでネットサーフィンを楽しんでいるという。
興味深いのは、中国のネットユーザーのインターネット利用習慣が変化してきていることだ。
CNNICのデータによると、2015年に利用率が目立って急増した分野は株取引とオンライン決済で、増加率はそれぞれ54%と37%だった。
こうしたトレンドで恩恵を受けているのは、オンライン決済プラットフォームを運営するテンセントやアリババ集団の金融子会社であるアント・フィナンシャル、シャオミが出資するネット証券スタートアップのTiger Brokersなどだ。
2015年にインターネットで多く利用されたサービスはオンライン決済とネット通販で、利用率は60%に達した。一方、オンラインで株や投資信託を売買するユーザーの割合は9%と、まだまだ成長の余地が大きいことがうかがえる。
オンラインバンキングやオンライン旅行予約、動画視聴なども成長が著しく、利用者数の増加率はそれぞれ19%、17%、16%だった。
一方で利用率の減少が目立ったのは、BBS(ネット掲示板)だ。バイドゥが運営する百度贴吧(バイドゥ・ティエバ)はかつて高い人気を誇ったが、テンセントのWeChatや微博(ウェイボー)などのメッセンジャーアプリやSNSに取って代わられている。2015年のBBSの利用率は前年から8%減少し、17%となっている。