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2016.02.04

アジア諸国が見る日本「アベノミクスを注視」前編

Rawpixel.com / shutterstock

世界が見た日本と、日本人への注文
「Forbes Japan」は2015年10月、各国版「Forbes」の編集長にアンケートを実施した。世界の編集長たちは、日本や日本企業をどのように見ているのか—。アジア各国の回答を紹介する(前編)。

▼アンケート項目
Q1 今、使っている日本製品やサービス、これから使ってみたい日本製品やサービスは?
Q2 あなたの国でもっとも成功している日本企業は?
Q3 あなたの国でもっとも尊敬されている日本企業は?
Q4 あなたの国に進出してほしい日本企業は?
Q5 あなたの国でもっとも有名な日本人経営者は誰?
Q6 2015年に日本で起きた出来事で、とくに印象に残っていることは何?日本特集をするとしたら、どんなトピックを挙げる?
Q7 「日本と日本人への注文」というコラムを執筆するとしたら何を書く?
Q8 今、アジアの中で最も注目している国はどこ?
Q9 あなたの国の『Forbes』で、日本人に読ませたい記事は?
Q10 2016年の日本に期待すること
Q11 日本で訪れたことのある観光地、行ってみたい観光地はどこ?
Q12 日本の文化、風土のいいところ、悪いところはどこ?
Q13 歴史上の人物も含め、好きな日本人、嫌いな日本人は誰?
※各国版編集長の回答は、各編集長の個人的見解であり、「Forbes」及び各国版の見解を示すものではありません。

■Forbes Asia「フォーブス アジア」(シンガポール)
カール・シュマヴォニアン(エディトリアル・ディレクター)
Q1:車はフォード車1台しか保有したことがないが、自宅には日本製品があるだろう。過去にはソニーのテレビを使っていた。
Q2:ホンダ、ソニー、トヨタ、三菱、日立製作所。
Q3:個人的な見解だが、ソニー、日立製作所、ホンダ。
Q4:わからない
Q5:孫正義(ソフトバンク)、柳井正(ファーストリテイリング)
Q7:すでに多く取り上げられているが、日本の高齢化問題。日本の企業文化において経営層に女性が少ないことも課題。
Q8:中国
Q9:「日本の富豪トップ50」。
Q10:予測は難しい。アジアにおけるボラティリティは非常に複雑なため、すでに確立されており、かつ大規模になっている日本経済に対し、そのことが害を及ぼすのか、逆に有利に働くのかがわからない。
Q11:日本を訪れたことがない。東京も行きたいが、景観がきれいで混雑の少ない地域も見てみたい。
Q12 :日本に対する批判のひとつに、文化、思想といった外からの影響に対して開放的でないという点がある。しかし、個人的にはこれはどこの国にも当てはまることだと思うので、一概には言えないと考えている。
Q13:歴史的人物でいえば、昭和天皇には複雑な感情がある。

Forbes China「フォーブス チャイナ」
康健(エディター)
Q1:キヤノンのカメラ、花王のシャンプー
Q2:カゴメ
Q3:キヤノン
Q4:コニカミノルタ
Q5:孫正義(ソフトバンク)
Q6:安全保障関連法案。日本経済の未来と、日本の起業家についての特集を組みたい。
Q7:高齢化
Q8:インド
Q9:中国の経済、技術と、起業家に関する記事。
Q10:2016年の日中関係が友好的であることを期待する。
Q11:北海道、大阪、名古屋は訪れたことがあり、東京と奈良に行ってみたい。
Q12:いい点は、先進的な経済、礼儀正しさ、高品質な製品。悪い点は、高齢化と、誤った歴史認識。
Q13:嫌いな日本人は、安倍晋三

Forbes Korea「フォーブス コリア」
ナ・コンイル(エディター)
Q1:パナソニックの電気シェーバー
Q2:トヨタ『レクサス』
Q3:トヨタ
Q4:バルミューダ。(「Forbes Korea」2015年8月号)
Q5:孫正義(ソフトバンク)
Q6:印象に残っているニュースは、「トヨタと日産のリコール対象車種を拡大」。今後は、日本の製造業の持続的な成功の秘訣、日本の長寿企業とそこで働く従業員の物語、日本の航空宇宙産業について調べたい。
Q7:①日本がイノベーションにおける鋭さを失った理由 
②日本の政治・外交が経済問題に巻き込まれている現状 
③日本経済を再活性化する方法
Q8:中国、ベトナム、インドネシア
Q9:①2015年連載:韓国上位10社のDNAを探る
②2015年連載:韓国の新興企業
③アモーレパシフィック(韓国の化粧品メーカー)
Q10:アベノミクスによって日本経済を復活させること。
Q11:愛知県の豊田市を訪れてみたい。
Q12:良い点は、職人気質、活気のあるビジネスマン。良くない点は、政治の無気力、安定志向のゆとり世代、東アジア太平洋地域における外交関係。
Q13:好きな日本人は、孫正義(ソフトバンク)、宮崎駿(映画監督)、遠藤周作(作家)

Forbes Indonesia「フォーブス インドネシア」
ジャスティン・ドエベル(チーフ・エディトリアル・アドバイザー)
Q1:日本のチョコレート、とくに「ロイズ(ROYCE’)」。
Q2:自動車業界ではトヨタが群を抜いている。自動車とバイクでナンバー2はホンダ。
Q3:トヨタ、ホンダ。
Q4:東急ハンズ。都市生活者にとって、東急ハンズのように便利な生活用品が揃う総合小売業が必要。
Q5:八郷隆弘(本田技研工業)。
Q6:日本特集をするなら「アベノミクスと日本経済回復の失敗」をテーマにしたい。日本のインドネシアへの投資計画や、インドネシアの高速鉄道プロジェクトを、中国に取られてしまった件に触れたい。
Q7:日本に比べてインドネシア投資に積極的な中国、インド、韓国といった国々に対し、日本がより優れた投資家になるための課題。
Q8:シンガポール
Q9:イーロン・マスク(テスラ)に関するレポート
Q10:経済回復に期待するが、実現しない可能性もある。
Q11:私は日本に5年住んだことがあり、妻は日本人。まだ行ったことのない北海道や沖縄を訪問したい。
Q12:良い点は清潔で、人々が正直で、製品が高品質なこと。悪い点は経済回復が遅いこと。
Q13:好きな日本人は、孫正義(ソフトバンク創業者)、宇多田ヒカル(歌手)。

編集=Forbes JAPAN編集部

この記事は 「Forbes JAPAN No.19 2016年2月号(2015/12/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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