LAXではこれまで運賃の高いハイヤーの“ウーバー・ブラック”はピックアップも可能だったが、低価格のウーバーX(ドライバー自身の車を使った配車サービス)は顧客を降ろすことしか許されていなかった。
ロサンゼルス市のエリック・ガルセッティ市長は「LAXの利用者が求めていた便利で信頼性のある街への移動手段を実現した」と語った。
リフトは先月からLAXでサービスを開始している。空港関係者によると最初の2週間だけで5万件の送迎実績があった。
LAXではタクシーとアプリを使った配車サービスに2つの大きな差がある。1つ目は乗り場までの距離。タクシー乗り場が手荷物受取所のすぐ外にあるのに対し、ウーバーXやリフト等の配車サービス利用者は、出発ロビー階の専用の乗り場まで行く必要がある。(ただし、ウーバー・ブラックは到着ロビー階で乗ることができる)
2つ目は、ウーバーやリフトがLAXで降ろす場合も乗せる場合も空港使用料として4ドル(約473円)を運賃に上乗せしなくてはならないのに対し、タクシーは乗せる場合のみで良い。ウーバー・ブラックについては乗せる場合のみだが5ドル(約591円)を上乗せする必要がある。
ウーバーで最も割安な乗り合い形式の“ウーバー・プール”は空港への迎えは行っていない。
しかし、空港使用料を上乗せしても配車サービスはタクシーよりも安い。例えばサンタモニカからLAXに行く場合、タクシーではチップ別で29ドル(約3,428円)かかるが、ウーバーXを使えば空港使用料込みで約19ドル(約2,246円)だ。LAXからロサンゼルスの中心街までだとタクシーでは約50ドル(約5,910円)に対し、ウーバーは30ドル(約3,546円)だ。
ただし、配車サービスではピーク時の運賃が最低でも1.25倍になる。どちらの移動手段を選択しても、ロサンゼルスの大渋滞につかまれば否応なしに費用は高くなるが……。
配車サービスは、渋滞が常態化しているロサンゼルスにおいて日常の一部となった。「ウーバーは市民や観光客の移動手段を変えた」とLAXを監督する委員会のBob Blumenfield委員長は言う。「ウーバーのLAX乗り入れへの要望は強かった」
LAXはアメリカで2番目に大きな空港であり、世界で5番目に混雑する空港だ。2014年には7,100万人近くが利用した。