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SOMKKU / Shutterstock

米国では、終末期の患者は自宅で最期を迎えることができないとの印象を持つ人が多いことから、同国の終末期医療は最悪だという人もいる。だが、実際にはそうではないようだ。

米国医師会雑誌(JAMA)に先ごろ掲載された報告書によると、ペンシルベニア大学ペレルマン医学大学院が主導した調査の結果、終末期のがん患者が6カ月以上入院した後に病院で死亡する割合は、米国が最も低いことが分かった。

調査はベルギー、カナダ、英国、ドイツ、オランダ、ノルウェー、米国の7カ国の終末期のがん患者38万9,073人を対象に実施。2010~12年の各国のデータを見直し、治療・介護の方法と死亡が確認された場所について分析した。

その結果、病院内で死亡した患者の割合は、ベルギーとカナダが50%以上で、英国とノルウェー、ドイツが38%。オランダが29%だった。米国は最も少ない22%だった。

一方、米国ではがんで死亡した患者の40%以上が、死亡までの6カ月以内にICUに入っていた。この割合は、その他6カ国の2倍の水準に達している。同大学のエゼキエル・エマニュエル医療倫理・保健政策学部長は、「命の危険がある患者が集中治療室(ICU)に運びこまれ、最後には効果がありそうもない化学療法を施されていた、という場面を見たことがある人は多いだろう」「そうした突出した経験が、治療はハイテクすぎて人間味がない、(米国では終末期の患者は)自宅で最期を迎えることができない、という印象を与えているのだろう」と説明している。

調査はまた、死亡までの6カ月間にかかった入院費も比較した。患者一人当たりの平均は、以下のとおりだった。

カナダ─2万1,840ドル(約257万円)、ノルウェー─1万9,783ドル、米国─1万8,500ドル、ベルギー─1万5,699ドル、英国─9,342ドル、オランダ─1万936ドル

このほかエマニュエル学部長は、患者とその家族が終末期のケアの質についてどう感じているのか理解することが重要だとして、がん以外の病気についても同様の調査が必要だと指摘している。また、外来患者の費用負担なども含め、医療費全般に関する詳細な分析も行う必要があるという。

同学部長は、「米国の終末期ケアの特徴は、入院治療を受ける患者と病院で死亡する患者の割合が少ないことだ。今後必要とされているのは、患者全員に対する同一の緩和ケアの提供に向け、力を注ぐことだ」と述べている。

編集 = 木内涼子

 

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