米調査会社PitchBookの資料によるとロサンゼルスに本社を置く同社の時価総額は2億5000万ドル(約295億円)に膨らんでいる(昨年7月のラウンドの時点では1億5000万ドルだった)。同社CEOのスティーブン・ストコルス(Stephen Stokols)は、具体的な数字は明かさないものの「事実上の時価総額はこれを上回る」としている。
MVNO事業を手掛けるフリーダムポップは、一部から「通信業界において、Skype以来のもっとも革新的な企業」とも呼ばれ、大手通信キャリアの牙城を揺るがそうとしている。
「通信キャリアは消費者から高い料金をしぼりとっている。データローミングはまだまだ格安で新たなサービスを提供できる最後の砦だ」(ストコルス)
今回調達した資金の大部分は、海外進出の資金源になる見込みだ。フリーダムポップはサービスを世界各国へ拡大する方針を先日明らかにした。手始めに全米とイギリスの顧客に対し、ホットスポットデバイスやSIMカードを使用し、ヨーロッパ25か国で利用可能な格安データローミングサービスを開始する。また、今年度末までには、アジア、南米を含む約50か国にエリアを拡大したいとしている。
ヨーロッパの25か国でデータ通信各社との関係を一から築き上げた同社は、グローバルなサービスに成長することで「携帯メーカーとのパートナーシップの可能性についても現実的な話が出来るようになった」という。携帯メーカーは通信キャリアを通すことなく、製品を直接消費者に売るようになった。フリーダムポップの SIMカードさえあれば、携帯メーカーは、いちいち相手国に合わせて製品を製造し、通信キャリアと各種設定について交渉する手間も省ける。
「当社との業務提携により、携帯メーカーは更に積極的に製品を直接販売できるようになる。大手メーカーとの契約は最終段階に来ているが、現時点でそれ以上のことは言えない」と、ストコルスは述べている。