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アドテク、企業、ベンチャーキャピタルやニューヨークのベンチャー企業について執筆するスタッフライター

Doppelganger4 / Shutterstock

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スタートアップに対する投資環境の悪化が伝えられているが、レイトステージ投資の専門家の一人であるDFJ GrowthのパートナーRandy Gleinは、「マーケットは比較的健全だ」と話す。

「2015年中盤は投資が過熱し過ぎていたため、後半の減速は市場の調整というよりは“正常化”と見るべきだ」とGleinは言う。また、未上場企業の評価が上場企業の評価に近づいていることは、市場のエコシステムにとって健全な動きだとGleinは指摘する。VCによるレイトステージ企業の争奪が減少する中、スタートアップとしては資金調達を焦らず、現金の消費スピードを落とすることが重要となる。上場までに要する時間が長引くかもしれないが、スタートアップが成功する上では必要な取組みだ。

環境の変化に投資家も起業家も適応し始め、VC投資が減速している状況は、昨年投資機会を逃した投資家にとっては朗報だ。2015年中盤は投資が過熱し過ぎて、投資を手控えるファンドも多かった。第4四半期に入って市場が落ち着きを取り戻すと、何か月も傍観していた投資家たちが再び投資を始めた。

「2015年は投資がピークで、過剰な評価額と過熱したムードが不合理な投資サイクルを生み出した」とFoundation CapitalのゼネラルパートナーであるCharles Moldowは話す。同社も「投資環境が健全化するまで投資を控えていた」という。

しかし、投資家が健全だと感じる状況が、起業家にとって理想的な環境とは限らない。確かに多くのスタートアップにとっては、Dropboxのように何十億ドルもの評価額を維持することに苦労したり、GoProやスクエアのように上場後に株価が暴落する事態は避けたいものだ。

しかしながら、これまでのように評価額をできる限り大きくしようとする考え方を捨てて、節約志向へギアを一気に入れ替えることは容易ではない。
「最近は起業家たちとこれまでとは全く違う会話をしている」とIcon Venturesのマネージング・ゼネラルパートナーの Joe Horowitzは話す。「変化を受け入れることができる企業こそが、長期的に持続する価値を生み出すことができる」とHorowitzは述べている。

他の投資家は「直近の四半期の状況がこれまでと大きく異なったとしても、投資環境には影響しない」と反論する。案件が減少したように見えても、実際には投資の意思決定はしていて、発表までに数週間を要しているだけということもある。
「私が知る限り、四半期ごとのデータに注意を払っているVCはいない」とMidas Listの常連でアンドリーセン・ホロウィッツの共同創業者、マーク・アンドリーセンは話す。

CB InsightsのSanwalもこの意見に同調する。第4四半期の結果を捉え、「2016年が資金調達を目指しているスタートアップにとって最悪の年になる」と予想するのは時期尚早だと彼は言う。一方で、多くのVCが口にするように、影響が及んでいる案件の大半がレイトステージ投資だという意見や、ホリデーシーズン明けを待って投資を発表することで案件が減少したように見えると言う考えには異議を唱える。
「アーリーステージ投資への影響が出るまでには、多少の時間差がある。レイトステージにしか影響がないというのは、ドミノ効果であることを見逃している」

スタートアップがより賢くお金を使うようになり、自社の評価額についてより現実的になったことをVCが歓迎しているのであれば、投資環境の変化によって最も大きなダメージを被るのは誰だろうか。恐らくそれは初期の従業員や、評価額が下がったことで会社の持ち分を多く明け渡すことになる創業者だとSanwalは言う。しかし、今後数か月で最も成功する投資案件は、世の中の風潮に流されず、有望な案件には多額の資金を投資することを厭わないVCによるものである可能性もある。

「VCは野次馬の多い業界だ。独自の考えを持って投資をしているのは20社ほどだろう」とSanwalは話す。
「高い投資成績を上げているのは、全てのサイクルで一貫して投資を実行し続けているVCだ」

編集=上田裕資

 

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