この研究では、高校生にスタンディングデスクを使ってもらい、タスクの処理能力を評価すべく4つのコンピューターテストを1年で2回受けさせた。学校であれ職場であれ、あらゆる問題解決の場面においてこの実行機能がうまく働いているかどうかが影響してくる。
テストの1つでは、前頭部の活性化の模様を追跡した。論文の主執筆者でテキサスA&M大学で衛生学を研究するRanjana Mehta博士は「スタンディングデスクを継続的に使用することは(生徒の)認知機能やワーキングメモリーの著しい改善と関連している」としている。
スタンディングデスクを使用することは、血流を良くして脳を活性化する運動と似た効果があると研究者たちは考えている。「今回の研究では、スタンディングデスクを使うことで神経認知機能の改善が見られた。学校での運動プログラムに関する研究と同じ結果が得られた」とMehta博士は説明する。
「次のステップは、スタンディングデスクを使用した場合と学校での運動プログラムを実行した場合の神経認知上のメリットを直接比較することだ」
スタンディングデスクを使用することと認知機能の目立った変化が関連付けられたのはこの研究が初めてだ。認知機能がわずかでも優位であることは、生徒のパフォーマンス向上につながるため、教育現場にとっては大きな可能性を秘めている。
今回の研究ではその他の条件を比較していないが、スタンディングデスクの使用はオフィスワーカーたちにも同様の恩恵を与えられると考えていいだろう。