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世界37カ国、700万人が愛読する経済誌の日本版

photograph by Akina Okada

堅調に経済成長を続けるフィリピンで、不動産市場が活況を見せている。
そうしたなかで不動産デベロッパーは、海外の富裕層の獲得に乗り出している。


「経済成長が続くフィリピンでの不動産投資は、資産運用の格好の手段だ」

フィリピンの不動産デベロッパー、アヤラランド社(Ayala Land)のトニー・アキノ前社長は、日本の富裕層にこう呼びかける。その背景には、フィリピン経済の成長と日本経済の回復がある。

フィリピン経済は1960年代から長期低迷が続いたものの、近年は好調に推移しており、2012年以降はASEAN主要国のなかでもトップクラスの成長率を誇る。13年春には格付会社大手のフィッチ・レーティングス(Fitch)が、フィリピン国債の格付けを「ダブルBプラス」から「トリプルBマイナス」に格上げし、投資適格となった。さらに今年9月には格付け見通しを「安定的」から「ポジティブ」に引き上げ。HSBCもフィリピンを東南アジア圏の優秀国と位置づけている。

一方、日本国内の状況については、12年に市場志向の第2次安倍政権が発足。08年に8,000円台まで落ち込んだ日経平均は15年11月時点で1万円台後半に回復し、富裕層の投資余力が増している。

こうした環境下で、東南アジア諸国の不動産各社は海外からの投資を積極的に誘致しており、アヤラランドも今年9月、東京にショールームを開設した。

同社はフィリピンの首都圏グレーター・マニラ地区やセブ島に「アヤラランド・プレミア」というブランドで豪華なコンドミニアムを、フィリピン北部ルソン地方ではゴルフコースを併設したレジャー施設「アンヴァヤ・コーブ(Anvaya Cove)」を開発している。『アジアン ゴルフ マンスリー』誌は、この7,030ヤードのコースをアジア太平洋地域における最優秀新設ゴルフコースと評価している。

アヤラランドは、不動産や通信、ヘルスケアなど幅広い事業を手がけるフィリピン最大のコングロマリット、アヤラコーポレーション傘下のデベロッパーだ。グループ各社のノウハウを結集して物件を開発できるのが強みで、アキノ氏は「居住者のあらゆる需要に対応できる」と自信をのぞかせる。

実際、同社のセブ島の高級マンションは、高齢の日本人居住者に配慮して、日本式の浴槽や設備を導入した。さらには日本の個人富裕層をターゲットに「豪華な住まいだけでなく、日本食レストラン、日本語対応の病院を備えたショッピングモール、教育機関までを含めた総合的な施設を提供することも可能」(アキノ氏)としている。

アヤラランドは、右肩上がりで成長するフィリピンでの投資物件としての魅力だけでなく、投資家自身の居住用としても選ばれる不動産開発に注力していく考えだ。

「いまこそ、フィリピンの不動産市場に投資するチャンスだ」と話すアヤラランドのトニー・アキノ前社長。同社は日本人居住者を意識した物件の開発にも力を入れている。



「いまこそ、フィリピンの不動産市場に投資するチャンスだ」と話すアヤラ ランドのトニー・アキノ前社長。
同社は日本人居住者を意識した物件の開発にも力を入れている。

マーティン・フォスター = 文 松岡智美 = 翻訳

 

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