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2016.01.14 10:30

2016年の株式市場A to Z! 注目の名前、テーマ、トレンド26選(前編)

isak55 / shutterstock

原油価格は下がり続け、FRB(連邦準備制度)が7年ぶりに金利引き上げ政策に転じるなど、2015年は投資家にとって、渡りきることが難しい一年となった。いわゆるFANG銘柄(Facebook、Amazon、Netflix、Google)を買った人は良かったが、今年の値上がりはこれらの銘柄にほぼ集中するばかり。そこでここでは、去る一年を振り返り、この新たな一年を予想するヒントをA to Zで紹介する。

A=アップル(Apple)
この世界最大の企業は依然として、投資家にとっても最も重要な企業だ。音楽や自動車事業参入など話題は色々あるが、その芸当といえばいまだにスマートフォン作りだけである。ただし、そのiPhoneの分厚い利益率が同社のやることすべてを牽引しているのも事実。しかしウォール街の読みでは、それは今年で終焉を迎えるかもしれない。複数のアナリストが、iPhoneの売れ行きがが初めて低下することを予想しているのである。

B=バーガーチェーン(Burger Chains)
2015年初頭、株式市場ではシェイクシャックがもてはやされていた。しかし、バンズを過熱しすぎたのか、株価は5月に96.75ドルの高値を付けた後、50ドルを切る水準にまで落ち込んだ。他方マクドナルドは、不動産のREIT化戦略を見送ることを決め、朝食メニューの終日提供による業績改善に賭けている。

C=中国(China)
2015年第3四半期の公式統計で6.9%と経済成長が減速し、バブルが弾けたように中国株式は低迷した。しかし、長期的に見ればほとんど無傷のまま。IMFは公式に人民元を世界主要通貨に追加し、ファンドマネージャーらは昨年後半、掘り出し物銘柄を探し回っていた。

D=負債(Debt)
アメリカ企業はここ数年、贅沢なゲームに興じてきた。低金利で借金し、企業買収をしたり、株主にキャッシュを還元したりしていたのだ。しかし市場は動いており、金利が上昇した環境ではそうはいかない。短期的な甘い汁を求めてバランスシートの柔軟性を犠牲にした企業は、その代償を払うことになりそうだ。

E=2016年大統領選挙(Election 2016)
ホワイトハウスを目指すレースは11月8日までの短距離走。候補者が生み出す市場の動きに逆張りをすると、投資家は良い結果が得られるかも知れない。2012年には、共和党のミット・ロムニーの支持率が上がるたびに、共和党の甘い環境政策を期待した投資家が石炭会社株などを買いに走ったものだった。しかし、バラク・オバマ大統領が再選を果たし、それらの株は真っ逆さまに落ちていった。

F=連邦準備理事会(Federal Reserve)
12月にジャネット・イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が2006年以来初めてとなる利上げを行ったこともあり、金融引き締め政策は今年の要注視テーマとなる。中央銀行がゼロ金利政策を手放したことによる暗い見通しを予測する市場関係者もいるものの、FRBでは成長を阻害しない”ゆるやかな”金利上昇を計画している。


G=グーグル・ガイズ(Google Guys)
2015年、同社共同創業者のラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンは懐が大いに暖まる一年を楽しんだが、そんなことより大きな話題を呼んだのは、組織構造を劇的に変えたことであった。新たな親会社Alphabetの元で、グーグルは検索事業とYouTubeを抱える一子会社となった。ほかに、ヘルスケア関係の新規事業や、自動運転車などの壮大な挑戦を担当する子会社もある。

H=ヘッジファンド・ホテル(Hedge Fund Hotels)
Valeant Pharmaceuticalsとサンエジソンは、2015年版の金融工学の失敗がもたらす教訓となったが、他方でKeurig Green Mountainの突然の買収劇は空売り投資家に打撃を与えた。ヘッジファンドのマネージャー間では人気の高かったこれらの取引は、ビル・アックマンら億万長者の2015年の業績にダメージを与えた。2016年の巻き返しを図っていることだろう。(訳注:ヘッジファンドが25%以上出資している企業のことをヘッジファンド・ホテルと呼ぶ)

I=アイカーン(Icahn)
アップル、eBayといった企業との抗争劇を終えて、カール・アイカーンの世直し運動は今度は政治の世界とジャンク債の世界に向かっている。”もの言う投資家”アイカーン氏は、法人税政策を厳しく批判して2016年の大統領選に一石を投じようとしているほか、Blackrockのラリー・フィンクCEOと、ジャンク債EFT(上場投資信託)の安全性について衝突している。

J=ジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)
アマゾンの投資家は、可能性がちらつかされている限り収益には頓着しないようである。強力なクラウドビジネスであるアマゾン ウェブ サービスの細部を少し公開するだけで、“急増する売り上げでも巨大なコストを永遠にはまかないきれない”という恐れは払拭されるのだ。2015年にアマゾンの株価は大きく回復し、ベゾスの資産も倍以上に膨らんでいる。

K=キンダー・モルガン(Kinder Morgan)
エネルギー株崩壊の影響の幅広さと奥深さのシンボルになっているキンダー・モルガン。同社は原油会社でもあるが、主要事業はパイプラインであり、原油価格変動からはいくぶん隔離されているはずだった。しかし、それももはやこれまで。株価はこの1年で65%下落、銘柄の魅力だった手厚い配当も維持できなくなった。

L=人件費(Labor Costs)
インフレの芽は全く見当たらないが、求人市場の復活により、多少の賃金上昇圧力が生じている。ウォルマートが昨年秋に今年の業績予測を下方修正した際には様々なことが言われたが、要するに同社の問題は陳列棚の商品にあるのではなく、それを補充する人手が確保できるのかどうか、その人件費は今後どうなっていくのかということなのだ。


後編はこちら(1月15日公開)。

編集 = Forbes JAPAN 編集部

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