安倍昭恵・ファーストレディ外交で目撃した「女ならではの働き方、生き方」




Most active First Ladyといえば、この人だろう。嫌韓の罵詈雑言に臆せず、日韓友好を訴える。被災地からミャンマー、そして防潮堤への異論を唱えに自民党本部にも乗り込む。 長靴姿で水田にも入る、かつていない首相夫人の特別インタビューをお贈りする。

「震災後、横の連携を使って動き出したのは女性たちでした。自分たちのネットワークを使い、連携して行動する。あの時は、上意下達の命令という縦社会的なものでは遅かった。ところが、女性たちは思ったことを自分のネットワークでパッパッとやる。例えば、いちばん必要だった食事も、女性たちの得意分野のため、みんな『何ができる?』と瞬時に考えて動いていたと聞きました。それは横へ横へとつながっていくネットワークなんです。その構築の速さ。そして、つながりの強さ。高度成長期で経済発展を進めたときには、確かに縦社会がうまく活きたと思います。しかし、社会が成熟し、縦社会の弊害がたくさん出てきています。それを改善して、どうつないでいくのかが、いまの人たちの役割であり、そこが女性の活躍のキーポイントです。
男性はプライドや見栄で行動する人が目立つように思えますが、女性はそうしたプライドをかなぐり捨てて、社会のために動く。働くモチベーションも微妙に違うんじゃないかしら、と思うのです。もちろん個人差がありますから一概には言えませんが、男女差にはそういった特徴があるような気がします」

 その違いを感じたからこそ、彼女は「いま、社会が目指そうとしていることは、ちょっと違うんじゃないかしら」と漏らす。
「人種や性別などを基準に、一定の人数や比率を割り当てるクオーター制というものがありますよね。例えば、企業や国会に30%の女性を増やさなければ、という動きですが、確かに比率を増やさなければ、女性の決定権がないので社会自体が変わっていかない。でも、数字がゴールなんでしょうか? そこをゴールに設定していくのは、日本では現実的には時間がかかると思うんです。女性の社会進出は、男性がこれまでやってきたことを女性が担うという単純なことではありません。女性には、女性の働き方がある。むしろ、私は、女性には、いままでとは違った働き方を始めてほしいと思っているんです」

 彼女自身も行動に出ている。震災を機に「食」の大切さを都会にも伝えようと、東京都千代田区神田に農家の食材を出す居酒屋「UZU」をつくった。

「この店のトイレに私の好きな詩を飾っています。主人の地元、山口県長門市の詩人、金子みすゞの『私と小鳥と鈴と』の最後の一節です。『みんなちがってみんないい』。私は昔からこの詩が大好きなんです。
この詩からわかるように、日本はもともと多様性のある社会だったのかもしれません。これから、ダイバーシティ(多様性)が重要になってきます。『違い』を受け入れて、『違い』に価値を見つけ、それぞれの能力を最大限に活かすことが、ますます求められていくのだと思います」

 安倍昭恵は現在、ファーストレディという立場とその影響力をうまく使って、女性たちとのつながりを目指している。毎日、あちこちに出かけ、多くの人に会っている。行動範囲は夫より広いのではないかと思えるほどで、そして細かい。あるインタビューでは「いつも人と会っているので主人よりも帰りが遅く、ほろ酔いで帰っている」と話すほどだ。(以下略、)

フォーブス編集部

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