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vectorfusionart / Shutterstock

世界各国で今年も昨年と同様、非常に活発な買収取引が行われると見込まれている。米イントラリンクスが企業の買収・合併(M&A)を専門とする680社を対象に行った調査結果をまとめた「ディール・フロー・プレディクター」(DFP)によると、回答者の50%が買収に関する現在の環境を「楽観視」しており、49%が今年上期、前期を上回る買収案件に関与する予定だという。

こうした中、今年のM&Aには以下の4つの傾向がみられると予想されている。

1 取引方法の変化──ソーシャルメディアを通じた買収取引の増加

テクノロジーは買収取引の完了までに必要な期間を短縮するだけでなく、取引全体のプロセスの合理化を可能にする。この点は特に、ソーシャルコンピューティングやオンラインでのディールソーシング(取引相手探し)など、ソーシャルメディアを利用した取引の増加に見て取ることができる。より多くのM&Aの専門家がインターネットを利用するようになり、国内の別の地域または外国にあるそれまで互いを知らなかった売り手や買い手同士が、高度な技術とオンラインのディールソーシングを活用し、短期間のうちに容易に連絡を取り合うことができるようになっている。イントラリンクスの「ディールネクサス」のようなソーシングのプラットフォームを使うことで、企業同士の迅速なマッチングが可能になっているのだ。これらは今年、低コストで長期的に利用できる方法として、買収事業における主流としての存在感をさらに増していくだろう。 

2 リーク情報の減少

調査の結果、過去2年の間にM&Aに関する情報のリークが減少していることが分かっている。そしてこの傾向は今年、企業統治の強化とリークに伴うリスクの増大によってさらに加速していくものと予想される。ただ、イントラリンクスは、売り手と買い手、双方の顧問らはいずれも、発表前の買収案件に関する守秘義務についてより深刻に受け止めるべきだと指摘している。

また、規制当局はテクノロジー活用の能力を高めており、異常な株価の変動などをより容易に検出し、調査できるようになっている。当局は今後さらに、市場における不正行為と犯罪行為を検知するためのデータと定量分析を積極的に活用していくとみられる。

3 企業が自社大株主と接近──株主行動主義の抑制

過去20年において、行動主義を標榜するヘッジファンドが急増した。これにより、非常に大規模かつ大きな成功を収めている企業でさえも、委任状争奪戦をはじめとした活動家らの行動の影響を受けやすくなっている。そしてその結果、企業は長期的な投資を行う代わりに、自社株の買い戻しや配当の実施を事業戦略として掲げるようになっている。

一方で、これらに反発する動きが見え始めている。大口の機関投資家らの一部は公然と、短期的な戦略を求める活動家らを批判する声を上げ始めた。政治もこうした傾向を後押しし始めており、米大統領選の民主党の最有力候補、ヒラリー・クリントン前国務長官も「四半期資本主義」を批判している。

4 独占禁止法の強化──強まる圧力と監視

オバマ大統領の任期満了が近づく中、米連邦取引委員会(FTC)と司法省は独占禁止法に基づく取り締まりの強化に積極的になっている。オフィス用品小売りの米ステープルズによる同業オフィス・デポの買収とスウェーデンの家電大手エレクトロラックスによる米ゼネラル・エレクトリック(GE)の家電事業の買収がFTCによって差し止められたのと同様、今年も当局による合併の阻止が増加するとみられる。合併を検討する企業は、従来の市場の定義に加え、競争を阻害する可能性についての当局の考え方などに関して詳しく調査し、慎重に計画を推進する必要がある。

編集 = 木内涼子

 

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